【インタビュー】元バルサの司令塔シャビ「フットボール好きにとって、バルサの試合は見逃せない」

2015年12月17日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「僕が残ることでチームが難しい状況になっていた可能性もあった」

今夏、下部組織時代から数えて24年間を過ごしたバルサに別れを告げてカタールのアル・サードへ。この決断を「ベストのタイミングだった」と振り返った。(C)Getty Images

 11歳だった1991年に下部組織に入団し、今年6月にカタールのアル・サードに移籍するまでバルセロナ一筋を貫いたシャビ。初めて外から観る古巣は、稀代の司令塔の目にどう映っているのか。カタールでの生活ぶりや将来の夢についても語る。
 
――◆――◆――
 
――カタールでの暮らしはどう?
 
「毎日がとても充実している。住み心地もいいよ。家族がいるのも心強いしね。そりゃあ、スペインの生活に懐かしさを感じるときもあるけど、やるべきことがわりとたくさんあって。郷愁に浸っている暇がないっていうのが正直なところかな。ここでの生活は僕にとって未知の世界。日々のちょっとした発見が楽しくて仕方ないんだ。僕は生まれてからずっとバルセロナで暮らしてきたから、余計にそう感じるのかもしれないけどね。すごく貴重な経験を積ませてもらっているよ」
 
――生活のリズムというか、1日の流れはだいたいどんな感じなの?
 
「午前中は、毎日英語のレッスンを受けている。英語の習得は今後のキャリアにおいて絶対に必要だってずっと感じていたし、ここの生活に溶け込むのにも不可欠なことだからね。レッスンを終えて、いったん家に戻ったあとは、主に家事の手伝いをしている。いまちょうど妻が妊娠していてね(12月中に出産予定)。そういうときにいろいろ手伝うのは旦那の責務だろ? 午後は練習か試合のためにふたたび出かけて、そのあとはクラブの関係者とミーティングをすることもある。選手としてだけでなく、これまでバルサで学んできたことを、このカタールで育成に携わっている指導者たちに還元するのも、ここでの僕の重要な役割のひとつだからね」
 
――それにしても、バルサからの退団はなぜあのタイミング(昨シーズン終了直後)だったんだい? 契約はあと1年残っていたし、まだまだやれたっていう声はいまでもよく耳にするよ。
 
「あれは自分の心に問いかけて出した答なんだ。出場機会が減っていたのは事実だし、若手に道を譲るときが来たとも感じていたからね。たしかに、まだやれたかもしれない。でも逆に、僕が残ることでチームが難しい状況になっていた可能性もあった。だから、あそこがベストのタイミングだったのさ。まさかバルサでのキャリアを、トリプレーテ(3冠)で締めくくれるとは夢にも思っていなかったけどね」
 
――カタールのフットボールをエンジョイできてるかい?
 
「もちろん。ボールを蹴っていれば、自然と笑顔になれる。練習中はとくに笑顔が絶えないよ。変わった点があると言えば、以前よりよくフットボールを観るようになったね。テレビをつけて緑色のピッチに出くわしたら、チャンネルはずっとそのままだ。ここはフットボールの番組が驚くほど充実していてね。『ベイン・スポーツ』なんて16のスポーツチ
ャンネルがあるんだ。18歳以下のオマーン代
表の試合(アジアU-19選手権予選)からプレミアリーグまで、もうなんでも片っ端から観ているよ(笑)」

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