【消えた逸材】転落への“トリガー”となった名将グアルディオラとの出会い。DF史上2番目の高額移籍金でマンCに渡った男はいま――

2023年05月01日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

空中戦は無敵の強さ

14年夏にマンC入団。移籍金は当時DF史上2番目となる4500万ユーロだった。 (C)Getty Images

エリアキム・マンガラ(DF/元フランス代表)
■生年月日/1991年2月13日
■身長・体重/188センチ・84キロ
 
 身体/運動能力がずば抜けて優れたアスリートで、188センチ・84キロと均整の取れた体格にパワーとスピードを備え、空中戦は無敵の強さを誇った。
 
 パリ郊外で生まれ、幼少期に両親とともにベルギーに移り住み、ストライカーとして頭角を現わしてスタンダール・リエージュに引き抜かれたのが16歳のとき。すぐにディフェンダーへのコンバートを成功させ、17歳でプロ契約を結んでデビューを果たし、ウインターブレイクを挟んだキャリア4試合目での初スタメンを先制アシストでみずから飾ってみせた。
 
 左SBとCBを兼任して11試合に出場したこのデビューシーズンにリーグ優勝を経験し、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)のピッチにも立った。2年目から不動のレギュラーとして守備陣を牽引し、ベルギーカップ優勝を置き土産にポルトへとステップアップの移籍を果たしたのは2011年。20歳の夏だった。

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 3年間を過ごしたポルトでは、チャンピオンズリーグ(CL)を経験しながらポテンシャルを開花させていく。リーグ優勝とCLのベスト16進出に貢献した2年目の12-13シーズンを終える頃には、マンチェスターの両雄をはじめ欧州中のビッグクラブがこぞって興味を示すホットな存在となっていた。
 
 争奪戦は熾烈を極めた。相場はみるみる跳ね上がり、最終的にポルトの首を縦に振らせたマンチェスター・シティの落札額は4500万ユーロ(約63億円)。これはディフェンダーの移籍金として史上2番目の高額だった。
 
 シティでの挑戦は、マヌエル・ペレグリーニ監督のもとで順調に滑り出した。不用意なファウルやケアレスミスは目に付いたものの、1年目からCBの主力として公式戦31試合に出場し、2年目は故障離脱がありながらも33試合の出場でCL4強進出の力になった。
 
 決定的な転機が訪れたのは、この15-16シーズンの終了後だった。契約満了で退任したペレグリーニの後を継いだジョゼップ・グアルディオラの新監督就任が、結果的にキャリアを暗転させるトリガーとなったのである。
 

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