U-20W杯の開催地はどうなる?“問題だらけ”のアルゼンチンで実施できるのか。前代未聞の「ホスト国変更騒動」の現状に迫る【現地発】

2023年04月17日 リカルド・セティオン

組み合わせ抽選会はオンライン開催も検討

3月開催のU-20アジア杯でベスト4に入り、W杯本大会への切符を獲得した日本代表。写真:佐藤博之

 U-20ワールカップのインドネシア開催が中止された。大会はいまのところ予定通りの5月20日に開幕する予定だが、1か月前になってもまだどこで実施されるかも、どこのチームと対戦するかもわからない。
 
 現在、開催国に立候補しているのはアルゼンチンのみだ(ウルグアイとの共同開催という案も出ているがその可能性は0.1%だろう)。13日の夜にFIFA(国際サッカー連盟)の視察団がやって来た。彼らは試合を行なうスタジアム、各国チームが使用する練習場、ホテル、の交通の便などを見て回る。その後、正式にアルゼンチンで開催するかどうかが発表される。

 今回候補に挙がっているスタジアムは全部で8つだ。

サン・ホアンのビセンテナリ・オスタジアム
サン・ルイスのラ・ペドレア・スタジアム
メンドーサのマルヴィナス・アルヘンティノス・スタジアム
サンティアゴ・デル・エステロのウニコ・マドレス・デ・チュダデス・スタジアム
サルタのマルテアレナ・スタジアム
ラ・リオハのカルロス・アウグスト・メルカード・スタジアム
チャコのセンテナリオ・デ・レシステンシア・スタジアム
ラ・プラタのディエゴ・アルマンド・マラドーナ・スタジアム
 
 ブエノスアイレスにある有名なエル・モヌメンタルやボンボネーラの名前は見られない。それもそのはず、この時期はアルゼンチンリーグの真っ最中だからだ。以前から大会を計画していたならいざしらず、直前に言われてもリーグをストップすることはできない。そのため、プロチームが普段使っていないスタジアムが開催会場となるのだ。

 実はアルゼンチンU-20代表は予選で敗退している。本来ならば出場権はなかった。だが、もしアルゼンチンで開催されれば、ホスト国として出場できる。その場合、敗退の責任を取って辞任していたハビエル・マスチェラーノが監督に返り咲くとも言われている。

 それにしても、本当に5月にアルゼンチンで開催できるのだろうか?

 W杯開催となれば、A代表であれば通常3年は準備期間を要する。カタールなどは12年間もかけてきた。開催するはずだったインドネシアも2年半をかけて用意してきていた。それが果たして1か月でできるのだろうか? 

 草サッカーの大会でも、準備期間が1か月では厳しい。2018年のU-20W杯はペルーが財政難から返上し、開催国がブラジルに変更されたが、それでも7か月は準備期間があった。

 組み合わせ抽選会は、24か国を呼んですぐにでも行わなければいけない。これはあまりにも無理があると、オンラインで行なう可能性も出てきている。

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