【千葉】21年の現役生活にピリオドを打った鈴木隆行。引退の裏側に隠された秘めたる想いとは?

2015年12月08日 加茂郁実

“次”への想いが強まり……。

引退会見へと臨んだ鈴木。21年のプロ生活にピリオドを打った理由などを語った。写真:加茂郁実(フリーライター)

 12月7日、かつて日本代表として活躍し、11クラブを渡り歩いた鈴木隆行が21年の現役生活にピリオドを打った。
 
 今シーズンの開幕前、千葉への加入が決まった際には「契約前に千葉のキャンプに練習生として参加したけど、もしオファーがなければ引退しようと考えていた」と語るなど、決断の時が近いことは醸し出していた。
 
 ただ、この1年、若手とともに遅い時間まで練習に励み、誰よりもサッカーを熱く語り、ことあるごとに「サッカーを続けたい」とも吐露していた。その男が引退を決断した理由はなんだったのか――。
 
「10月頃、練習が終わった後にふと引退しようと考えました。チームが決まらず、アメリカでプレーできなかった時期ですら、サッカーを辞めたくないという想いがありました。ただ、この時期になってそういう気持ちがなくなっていた。サッカーをやりたいという想いよりも、次に進みたいという気持ちの方が強くなったんです」
 
"次"が指すのは指導者である。現在、日本サッカー協会のA級ライセンスは取得済みで、Jリーグの監督を務められるS級ライセンス取得に向けても動き出している。
 
「できるだけ早いうちに取得して、指導者、監督になりたい」
 
 プロになったばかりの頃、引退後にサッカーに関わる仕事をしようとはまったく思っていなかった。だが、5年ほど前からその心境に変化が生まれた。それは、もっとサッカー界を良くしたいという想いであり、水戸や千葉の選手と接しているうちに強くなったという。
 

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