【クラブW杯来日記念!短期集中連載】バルサ戦士の素顔――Vol.8 イニエスタ、ドグラス、L・エンリケ

2015年12月07日 山本美智子

イニエスタ「子供たちの手本を目指すスーパースター」

言わずと知れた世界最高峰のテクニシャン。生粋のフォア・ザ・チームの精神に加え、戦術眼を磨いたここ数年のイニエスタは、後方と前線を繋ぐリンクマンとして新境地を開く。(C)Rafa HUERTA

  12月10日に開幕するクラブワールドカップで来日を果たす欧州王者バルセロナ。この言わずと知れたタレント軍団に所属する選手たちの、「素顔」に迫る短期集中連載だ。
 
 最終回となる第8回はキャプテンのアンドレス・イニエスタ、シャイなブラジリアンのドグラス、そして圧倒的なリーダーシップでチームをまとめる指揮官ルイス・エンリケだ。
 
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Andres INIESTA
アンドレス・イニエスタ

背番号8/MF/スペイン代表/1984年5月11日生まれ/171センチ・68キロ
 
 12歳でその才能を見出され、約550キロ離れたアルバセーテからバルセロナへ。アンドレス・イニエスタは当時から天才の名を欲しいままにしていた。しかし、下部組織時代は家族が恋しくて、人知れず涙する日もあった。
 
 トップチームに昇格してからも、時間が許す限りミニエスタディ(カンプ・ノウの横にあるバルセロナBの本拠地)に足を運び、試合後はスタジアムの階段に座ってかつてのチームメイトたちと話し込む姿があった。
 
 そんなどこにでもいる普通のバルサ・ファンだった青年は、いまやバルサのキャプテンとして、そして稀代のテクニシャンとして、世界中の少年たちが憧れるスーパースターとなった。
 
 子供たちの手本でありたい――。常々そう思っているイニエスタは、チームメイトたちと違って決してタトゥーを入れない。そうかと思えば、自らの『フェイスブック』を通じてクイズを出して、正解者のサポーターと一緒にフリータイムを過ごすなど、ソーシャルメディアをフル活用して周囲を驚かすようなイベントを行なったりする。
 
 故郷のアルバセーテにワイナリーを作り、就職難の地元への貢献も忘れない。そのワイナリーで作られる白ワインには最愛の娘バレリアの、そして新作の赤ワインには生まれたばかりの長男パオロ・アンドレアの名前を冠した。
 
 ピッチ内外で様々な表情を見せるイニエスタだからこそ、誰もがその魅力に夢中になるのだ。

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