【クラブW杯来日記念!短期集中連載】バルサ戦士の素顔――Vol.7 ラキティッチ、ジョルディ、マシップ

2015年12月03日 山本美智子

ラキティッチ「夢を叶え続ける気さくなムードメーカー」

高い技術力を誇るテクニシャンながら、バルサでは労を厭わぬ運動量も光るラキティッチ。昨夏に退団したシャビとはまた違った持ち味で中盤を引き締める。(C)Rafa HUERTA

  12月10日に開幕するクラブワールドカップで来日を果たす欧州王者バルセロナ。この言わずと知れたタレント軍団に所属する選手たちの、「素顔」に迫る短期集中連載だ。
 
 第7回は願いを叶え続けるイバン・ラキティッチ、チーム随一に親日家ジョルディ・アルバ、そしてカンテラ育ちの第3GKジョルディ・マシップだ。

 
――◆――◆――
 

Ivan RAKITIC
イバン・ラキティッチ

背番号4/MF/クロアチア代表/1988年3月10日生まれ/184センチ・78キロ
 
 まだプロデビュー前だった16歳の時にジョゼ・モウリーニョが惚れ込み、チェルシーからオファーが届くほど天分の才能に恵まれていた。
 
 スイス生まれで、U-17からU-21までは同国代表でプレー。しかし、A代表は父親の祖国クロアチアを選んだ。父親は嬉し涙を流すほど喜んだが、自宅には「スイスから出て行け」などと書かれた脅迫状が届き、暗殺を予告する脅迫電話も掛かってくるなど、ラキティッチの選択によって家族は辛い目にも遭った。
 
 それでも故郷メーリンへの愛着は強く、現在も地元にアマチュアのサッカーチーム、パジェ・メーリンを所有している。「選手はほとんど僕の幼馴染みやその友達、あと近所の人達だから、趣味みたいなものだよ」と笑う。
 
 最愛のラケル・マウリさんと出会ったのは、シャルケからセビージャに移籍した2011年。宿泊先のホテルのバーで働く彼女に一目惚れし、まだスペイン語も話せなかったのにバーに通い詰めて口説き続け、13年にはついに結婚まで漕ぎつけた話はあまりに有名だ。
 
 スター選手にありがちな気取ったところがまるでなく、ファンに呼び止められれば、車を停めて気軽にサインや写真に応じるフレンドリーさが魅力だ。
 
 頭脳明晰なマルチリンガルでもあり、母国語のクロアチア語をはじめ、スイス語、ポーランド語、ドイツ語、フランス語、英語、そしてスペイン語を流暢に話す。外交的な性格も手伝って、入団2年目のバルセロナでもいまやムードメーカーとなっている。
 
 ちなみに、棚ぼたのような意味があるからと、「夢」という言葉を嫌う。「願いは叶えるもの、未来は作るものだから」と言い切るラキティッチは、昨夏のバルサ移籍、最愛のラケルさんとの結婚など、その生き方を地で行っている。

次ページジョルディ「来日を心待ちにするチーム随一の親日家」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事