【英国人が見たJリーグCS】ファンの脳裏に残る白熱の一戦だった! だからこそ、1試合で雌雄を決するべきだ

2015年12月03日 スティーブ・マッケンジー

最後の30分間、遠藤と宇佐美の存在感が薄れた。それが結果にも影響した。

質の高い遠藤(7番)のプレーには感銘を受けたが、終盤の失速は気になった。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 12月2日、広島とG大阪によるJリーグチャンピオンシップ決勝の第1戦が行なわれ、3-2で広島が勝利した白熱の一戦を、私はスタジアムで見ることができた。

 火曜日の午前5時に私の自宅があるベックナム(ロンドン南東部の街)を飛び出してから、大阪まで合計39時間の移動――。

 実を言うと、私のフットボール観戦歴のなかでも、こんなに長い移動時間を要した試合は経験したことがなかった。最近、私が行ったクリスタル・パレス対サンダーランドは車でたったの30分だった。

 そんな大変な思いをしてまでも、前々から良い選手だと聞いていたG大阪の宇佐美を生で見てみたかったし、その価値があると思った。

 連係プレーからの崩しは素晴らしく、そしてなにより宇佐美がボールを持つたびにG大阪のファンがざわついていたのが私には印象深かった。

 そして、個人的に驚きだったのは遠藤だ。他の若いプレーヤーに混じってプレーし、キャプテンとしてチームをまとめる彼の姿には感銘を受けた。

 しかし、両選手が白熱した好ゲームの最後の30分間において存在感が気薄になってしまったのは残念だった。そしてそれが結果として試合にも影響していたように思う。

 さて、今シーズンから2シーズン制となり、優勝プレーオフも導入されたJリーグの新フォーマット。その仕組みについてファンを中心に論争が巻き起こったことは、私も知っている。

 イングランドで、この形式に近いものはチャンピオンシップ(ENG2部)の昇格プレーオフだろう。Jリーグのプレーオフと同様にイングランドでも当然、テレビで放映され、話題となる。

次ページこれほどまでの興奮や関心を、第2戦でも抱かせることができるだろうか……。

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