「うまくいき過ぎている」なぜ三笘薫は4戦連続ゴール関与でも満足できないのか。日本代表招集について訊くと「いま野球もやっていて…」【現地発】

2023年03月18日 田嶋コウスケ

「全然、満足はできない」

ブライトンでチームの中心となっている三笘。直近4試合連続でゴールかアシストをマークしている。(C)Getty Images

 試合後の三笘薫は、時折笑顔を交えて充実感を漂わせていた。

 現地時間3月15日にナイトゲームとして行われたブライトン対クリスタル・パレス戦。4-2-3-1の左サイドハーフとして先発した三笘は、この試合の決勝ゴールをアシストして1-0の勝利に貢献した。

 これで、4試合連続でゴールまたはアシストを記録。プレミアリーグは世界最高峰と謳われるが、その中で破竹の勢いでゴールを生み出し続けているのだ。

 しかし本人によれば、連戦の影響でコンディションはそこまで良くないという。79分まで出場した自身のプレーを、次のように振り返った。

「もっと上というか、もっと力を出せるようにしないといけないと思いながら試合をしていましたけど。試合展開も考えながらシンプルにプレーしました。チームの試合状況と、自分のコンディションを考えながらやっていました。もうちょっと、仕掛けるところも行っていいかなって感じですけど、試合の流れもあるので。シンプルにすることが今日は多かったって感じですね」
 
 質疑応答は、15分のアシスト場面に及んだ。

 三笘は自陣のセンターライン付近でパスを受けると、中央部に向かってドリブルを開始。相手ディフェンスラインの裏へ走り込んだ右サイドハーフのソリー・マーチにスルーパスを通し、先制点をお膳立てした。

 本人は「パスがちょっと弱かったですね。ソリー(・マーチ)じゃなければ、決めてくれなかったので助かったという感じです」と反省したが、ロベルト・デ・ゼルビ監督がチームに落とし込んでいる"決まりごと"がうまく形になったと説明した。
 
「自分がああいう形で中に入っていくと、ソリーも中に入ってくれるので。逆サイドで同じような流れになれば、僕もやらないといけない。常に(マーチなどを)見ています。あの時間帯でゴールが入ったのが大きかったなって感じです。ああいう形を増やせれば、相手も中(のスペース)を切ることになってくる。中と外をうまく使い分けながらってところです」

 さらに、「4試合連続で結果を残し続けているのは自信につながるのでは?」と聞いてみると、冷静な姿勢を崩さなかった。

「結果が出てるのはいいですけど、うまくいき過ぎてるところもあると思うので。助かってるって感じですね。今、結果が出ていて助かってます。(結果が)出なかった時に、もっとチャンスメイクのところが必要だと思うので。全然、満足はできないですね」

 試合後の三笘から常々感じるのは、満足感に浸らず、常に上を目ざしていること。向上心の塊のような選手であるからこそ反省の言葉を決して忘れない。ただ最近の三笘から伝わってくるのは揺るぎない自信だ。結果を残し続けていることで焦りがなくなり、良い意味で心の余裕が感じられる。

 チームの中心選手である今、ブライトンでの日々は充実しているように映る。
 

次ページ第2次森保ジャパンの初陣へ臨む

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事