【U-22代表最新序列】最前線はJ開幕2戦連続弾の細谷が軸。主力候補不在のSBで期待したいのは…

2023年03月16日 松尾祐希

GKは過去の実績を考えて鈴木彩が一番手

欧州遠征に臨むU-22日本代表の最新序列。(C)SOCCER DIGEST

 今年初の活動は生き残りをかけたサバイバルレースになる。

 3月19日から行なわれる欧州遠征のU-22日本代表メンバーが発表。23名の選手が24日のU-22ドイツ代表戦、27日のベルギー代表戦に挑む。

 パリ五輪の本大会まであと1年4か月。開催時期がアナウンスされていない最終予選まではおおよそ1年前後とあって、今年最初の活動は選手たちにとって、未来を占ううえで大きな意味を持つ。

 特にパリ五輪世代の選手たちは、自チーム内で絶対的な地位を築いている選手が少ない。個人昇格や新天地を求めた選手も多くいるが、新たなシーズンが始まってからJ1で戦っているほとんどの選手が苦戦を強いられている。

 ベンチメンバーに甘んじている選手は少なくなく、開幕からポジションを掴んで結果を残しているのは細谷真大(柏)ぐらい。昨季までこのチームで主軸を担っていた藤田譲瑠チマ(横浜)や西尾隆矢(C大阪)といった選手は出番を得られずにいる。
 
 海外組でも斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)が結果を残している一方で、田中聡(コルトレイク)は出場機会が減少中。今冬にストラスブールに加入した鈴木唯人もまだデビューを果たしていない。平岡大陽(湘南)、三戸舜介(新潟)、川﨑颯太(京都)、西川潤(鳥栖)といった選手たちがコンスタントに出場しているが、U-22代表全体を見れば楽観視はできない状況だ。

 大岩剛監督はメンバー発表の会見で「想定はしていた」と振り返ったが、期待通りの結果が出ていないのは事実。選手たちに「リバウンドメンタリティも含めて求めていきたい」と話し、今遠征での奮起に期待を寄せた。
 
 現状で序列を考えると、非常に難しい。GKでは昨年6月のU-23アジアカップで守護神を務めた鈴木彩艶(浦和)は今季も西川周作の牙城を崩せておらず、カップ戦のみ出場に留まっている。9月の欧州遠征で背番号1を背負ってU-21イタリア代表戦に先発出場した佐々木雅士(柏)も開幕から3戦連続で先発したが、先週末の4節・名古屋戦は控えに回った。

 ベンフィカでプレーする小久保玲央ブライアンも試合に継続して出られておらず、現状では一番手を予想するのは難しい。ただ、過去の実績を考えれば、鈴木彩が一番手だろう。試合勘に不安はあるが、フィジカル、GKスキル、キックの精度は頭ひとつ抜きん出ている。
 

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