「FWは自己中の塊」と再認識。STVV林大地は自慢の“ガツガツ感”を研ぎ澄まし、貪欲に突き進む

2023年03月03日 元川悦子

「勝負のシーズン」目標は二桁得点

ベルギーで研鑽を積む林。写真:元川悦子

 2022-23ベルギーリーグ1部も、2月末の段階で27試合が終了。レギュラーシーズンはラスト7試合と残りわずかとなっている。

 プレーオフ(PO)圏内の上位8位入りを目ざすシント=トロイデン(STVV)は、2月12日のアンデルレヒト戦、19日のウェステルロー戦、26日のシャルルロワ戦でまさかの3連敗。11位に後退してしまった。

 だが、8位のサークル・ブルージュとの勝点差は2。まだ可能性がなくなったわけではない。そのためにも、総得点26というリーグ下位の得点力を少しでも引き上げていく必要がある。

 目下、チーム最大の得点源は11ゴールを挙げているジャンニ・ブルーノ。続く7点を奪っているのが林大地だ。ただ、ベルント・ホラーバッハ監督は今冬の移籍市場で、アラベスから呼び戻した原大智を高く評価しており、直近2戦はブルーノと原を2トップに抜擢。林はベンチスタートを余儀なくされている。

「大智も良い選手だし、ジャニー(ブルーノ)もチームで一番点を決めている。僕ら3人はそれぞれ長所があるし、使う・使わないを決めるのは監督ですけど、やっぱり試合に出続けるのは点を取ってる人間。僕は最近、ゴールを奪えていないし、先発を外されるのも仕方ない部分がある。最後まで3人で良い競争をし合えたらいいと思います」と、林は奮起を誓っている。
 
 2021年の夏にSTVVに赴いてから、間もなく2シーズンが経過する林。1年目から7ゴールを挙げるなど、初めての海外挑戦はまずまずの出足だったと言っていい。

 そして迎えた今季。本人も「勝負のシーズン」と位置づけ、二桁得点を目標に掲げて戦いをスタートさせた。

「欧州2年目はハッキリした結果がより重要になる。ステップアップするためにも必ず結果が必要だし、欧州では数字しか見られない。そう思ってシーズンに入りました。

 9~10月にかけて怪我で3試合くらい欠場しましたけど、ベルギーリーグに慣れてきたという感触はありました。自チームを含めて、ベルギーリーグの試合もすごく見るようになったし、点の取れるポジションやゲーム展開も読めるようになってきた。監督とも2年目やし、どういうことを求められているのかがより明確になっているので、数字もついてきたのかなと思います。

 だからこそ、早く二桁に乗せたいという思いは強いです。何とかあと3点取って、10点に到達したいですね」と、林はゴールへの強い渇望を口にした。

【動画】ベルギーで躍動! STVV林大地の今季7点目や公式戦3戦連発弾、値千金の決勝点も!
 

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