大久保の3年連続得点王――世界で同じ記録を達成した偉人は!?

2015年11月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ディ・ステファノ、シアラー、アンリ、G・ミュラー……etc.

 2015年J1最終節、ベガルタ仙台戦で決勝ゴールを挙げて今季通算得点を23に伸ばした川崎フロンターレの大久保嘉人が、3年連続3度目の得点王に輝いた。
 
 前田遼一(2009年~10年)、ジョシュア・ケネディ(10~11)の記録を塗り替えた大久保は、得点王獲得回数でもトップに立った(2回獲得は前田、ケネディ以外に中山雅史がいる)。
 
「自分でも驚いている」と語った大久保。33歳で成し遂げた偉業を喜びながら、「これからもゴールを取り続けたい」と、さらなる活躍を誓っている。
 
 90分間、相手DFから徹底マークを受けているにもかかわらず、数少ないチャンスを得点に結びつけることの難しさは、誰にでも容易に想像がつく。それを34試合持続してトップスコアラーに昇り詰めるのは、まさに選ばれた人間しか成し得ない偉業である。
 
 大久保はそれを3年連続で達成した。これは歴史的であり、こういう持続力のある生粋の点取り屋は、これからもなかなか出現しないだろう(現在ではJリーグで結果を残した選手がすぐに海外進出するということもあるが)。
 
 ところで、ここで世界に視野を広げてみると、3年(以上)連続得点王を成し遂げた偉人は、サッカー界にどれほどいるのだろうか。
 
 ここでは強豪国・主要国に絞って名を挙げてみた。リーグ間のレベルに差があることは否めないが、そのなかで3年連続得点王になるには、図抜けたセンスと能力が必要であり、どの国でプレーしようが、彼らの偉業が色褪せることはない。
 
 また本項では割愛したが、05-06シーズンから11-12シーズンまで7回連続で得点王になったウェールズ・プレミアリーグのリース・グリフィスなどもおり、世界にはさらなる「上には上」がいるのだろう。
 
◎世界の主な3年(以上)連続得点王
◇スペイン
イシドロ・ランガラ(33-34シーズン~35-36シーズン)
テルモ・サラ(44-45~46-47)
アルフレッド・ディ・ステファノ(55-56~58-59)※4年連続
ホセ・エウロヒオ・ガラテ(68-69~70-71)
キニ(79-80~81-82)
ウーゴ・サンチェス(84-85~87-88)※4年連続
 
 レアル・マドリーを欧州5連覇に導いたディ・ステファノは同時期、国内でも抜群の得点力を誇った。キニはスペイン代表でも活躍した点取り屋で、ヒホン、バルセロナで得点王を獲得。バルサ在籍時の81-82シーズンには誘拐され、3週間以上も監禁されたにもかかわらず、得点王を獲得した。
 
◇イングランド
ジミー・グリーブス(62-63~64-65)
アラン・シアラー(94-95~96-97)
ティエリ・アンリ(03-04~05-06)
 
 プレミアリーグの前身であるフットボールリーグ時代の偉業達成者はひとり。イングランド代表としても世界王者の一員であるグリーブスは、トッテナム時代に偉業を達成した。シアラーの得点王は全てブラックバーン時代。アンリはアーセナルで、01-02シーズンにも得点王に輝いている。
 
◇ドイツ
ゲルト・ミュラー(71-72~73-74)
 
 多くの偉大なストライカーが往来したブンデスリーガにあって、やはりバイエルンと西ドイツ(当時)代表で世界一の点取り屋ぶりを披露し続けたミュラーは別格。ちなみに通算回数は7である。

次ページプラティニ、ファン・バステン、ベルカンプらも偉業を達成。

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