まだやり残したことがある。焦りはない。「レイソルでタイトルを」そして「得点王を狙っていきたい」【パリの灯は見えたか|vol.1細谷真大】

2023年02月08日 松尾祐希

「自分はここでまだまだ成長できる」

柏でプロ4年目を迎える細谷。今季はこれまで以上に結果にこだわる。写真:鈴木颯太朗

[インタビュー連載]パリの灯は見えたか|vol.1細谷真大/後編

 プロ入り後、順調にステップアップを果たしてきた。その一方で誰からも認められるような数字を残したわけではない。柏レイソルの絶対的なストライカーになるべく、細谷真大に今季求められるのは、言うまでもなく結果だろう。しかも、今季は2024年のパリ五輪に出場するうえでも重要なシーズンとなる。柏でのパフォーマンスはもちろん、代表チームでもU-23アジアカップの1次予選が9月に行なわれ、五輪の最終予選を兼ねた本大会も年末年始(開催時期は未定)に開催される予定だ。自身のサッカー人生を左右するうえでも大事な1年を迎える前に、大岩ジャパンを牽引するストライカーにパリへの想いと今季への意気込みを尋ねた。

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 新たなシーズンが始まる。昨季はJ1で33試合・8ゴールを記録し、キャリアハイの成績を残した細谷。大岩剛監督が指揮を執る、パリ五輪を目ざすチームでも継続してメンバーに名を連ね、ヨーロッパの強豪国と戦う経験もできた。

「(昨年)9月の欧州遠征で対戦したイタリアに対して、フィジカル面やスピード面で差を感じた」なかで、「自分の武器である裏抜けへの飛び出しは通用した」と一定の手応えを得ている。11月のスペイン・ポルトガル遠征をコンディション不良で辞退したとはいえ、大岩監督がパリ五輪世代で最も信頼しているストライカーと言っても過言ではないだろう。

 そうしたなか、パリ五輪世代の選手たちは新たなステージを目ざして走り始めた。鈴木唯人(清水→ストラスブール)や小田裕太郎(神戸→ハーツ)のように、欧州へ活路を見出した者がいれば、半田陸(山形→G大阪)のようにJ2クラブからJ1クラブへ"個人昇格"を果たしてさらなる飛躍を期す者もいる。しかし、細谷は焦っていない。自分を育ててくれたチームでやり残したことがたくさんあるからだ。

 昨季はベストヤングプレーヤー賞を受賞している。しかし――。初の個人タイトルに喜びがあったものの、少なからず悔しさがあった。「気持ちとしては嬉しい。でも、欲を言えば、もっと結果を出して選ばれたかった」。

 そうした想いが、今季に向けて気持ちを駆り立てる。「自分はここでまだまだ成長できる」という一心で新たなシーズンに臨もうとしているのもそのためだ。「まずはレイソルでタイトルを獲る」。チームのために戦う――。その姿勢にブレはない。そして、今年は今まで以上に結果を求めるつもりだ。「得点王を狙っていきたい」という言葉からも強い決意がうかがえる。

【布陣図】2023年シーズン J1全18クラブのポジション別最新序列
 

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