現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「武藤の今後に影響大!? 注目されるハイデルSDの決断」

2015年11月12日 ラインハルト・レーベルク

シャルケでの挑戦は大きな魅力。

ハイデルSDにとって、シャルケは自分の能力を存分に活かせるクラブであるのは間違いない。 (C) Getty Images

 スポーツの側面から見た現在のマインツは、落ち着きを取り戻しつつある。11月7日のヴォルフスブルク戦(ブンデスリーガ12節)に2-0で勝利し、全公式戦を通して5試合ぶりの勝利を飾った。前節にハットトリックを記録した武藤嘉紀はこの日も好調で、試合を決定づける2点目をアシストした。

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 サポーターにとって、久々の勝利は喜ばしいだろう。ただ一方で、1か月前から彼らをやきもきさせている問題が依然として解決を見ていない。
 
 クリスティアン・ハイデルSD(スポーツディレクター)が、来夏にシャルケへ行くのか、それともマインツに残るのか――。
 
 シャルケからハイデルにオファーが届いたことは、もはや公然の事実である。高額報酬が保証された4年契約で、マネジャーとしてクラブ運営のすべての権限を与えるというのがその内容だ。
 
 先日、ハイデルと親しいドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOが、「(ハイデルの招聘が実現すれば)シャルケは一流のマネジャーを得ることになる」と発言。これは、退団が現実味を帯びてきていることがうかがえるものだ。
 
 マインツのハラルト・シュトルツ会長は、ハイデルを引き留めるためにサラリーの大幅アップを考えているようだが、もはや無駄なあがきかもしれない。当のハイデルが、シャルケでの新しい挑戦に大きな魅力を感じているからだ。
 
 欧州カップ戦の常連であるシャルケでならば、自身の経験、専門知識、交渉力、ネットワークをドイツ国内だけでなく、国際舞台でも活かす機会が得られる。金銭面は二の次だろう。

次ページハイデルの後釜確保は極めて困難だ。

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