【バイタルエリアの仕事人】vol.23 岩清水梓|パワーのある選手には要注意。いかに味方と連係してパスコースを遮断するか

2022年12月28日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

WEリーグカップ決勝での後悔

ベレーザ一筋でクラブを支えるベテランCB岩清水。昨シーズン以上に、今季は「コンディションが良い」と自信を示す。 (C)TOKYO VERDY

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第23回は、日テレ・東京ヴェルディベレーザのDF岩清水梓だ。

 ベレーザの下部組織出身で、2003年にトップチームに昇格し、それから長きに渡りベレーザ一筋で活躍。2020年3月の出産を経て、昨季からピッチに戻ってきた生え抜きのCBは、今季で20年目のシーズンに挑んでいる。

 今年11月26日に行なわれた第4節のAC長野パルセイロ・レディース戦では、女子トップリーグ300試合出場を達成。なでしこジャパンの一員としても2011年にワールドカップ優勝を経験するなど、女子サッカー界を牽引してきた衰えを知らないベテランは、どんな意気込みで今季を迎えたか。

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 昨シーズンは出産してからの復帰のシーズンで、怪我も重なったりして、体力的にもしんどくて自分にとっては不本意なシーズンでした。

 不安もあって今季からは、パーソナルトレーナーをつけたんです。私はこれまでの長年の現役生活でトレーナーをつけてこなかった。でも産後復帰して、この先、コンディションを上げていくためには自分だけの力じゃ無理だなと感じて、人の手を借りてスタートすることにしました。

 おかげで90分間走れる身体に戻れてきたと実感しています。今までは、身体を出産前の元の状態まで戻すために必死にやってきましたが、今シーズンはそれ以上にもっと成長したいと思えるところまでこれています。

 今季はリーグ戦開幕前のWEリーグカップ決勝で、(三菱重工浦和レッズレディースに)3-3で突入したPK戦の末に敗れてタイトルを逃してしまいました。自分に対して、産後復帰したのも含めて、確固たる自信が持てていなかったと感じています。

 チームが苦しい時にこそ、ベテランの力が必要なのに、あまりチームの力になれなかった。若い子たちを安心させるような「自分たちのサッカーをすれば大丈夫だよ」という声掛けをもっとすべきだったと後悔しています。

 今のベレーザは、タイトルを毎年獲得して自信のあった全盛期に比べて、絶対勝てるというポジションにはいません。他のチームもどんどん力をつけてきていますし、自分たちも必死になって戦わないといけないなと改めて感じました。
 

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