現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「ドルトムントを支える“魔法のカルテット”にまつわる去就の噂」

2015年11月05日 マルクス・バーク

今シーズンの公式戦20試合で64得点を記録。

圧倒的な攻撃力を支えているのが、香川やオーバメヤン(左)ら前線の4人。ドイツのメディアは「魔法のカルテット」と称賛する。 (C)Getty Images

 ドルトムントは今シーズンの公式戦20試合で64得点を記録している。これは1試合平均3ゴール以上を奪っている計算で、驚異的な数字である。
 
 圧倒的な攻撃力を支えているのが、香川真司、ヘンリク・ムヒタリアン、マルコ・ロイス、そしてピエール=エメリク・オーバメヤンの4人。ドイツのメディアが「魔法のカルテット」と称賛する4人が織りなすアタックは破壊力抜群で、ブレーメンのヴィクトル・スクリプニク監督は1-3で敗れた10月31日のドルトムント戦(ブンデスリーガ11節)後に、「彼らはまるでゴールマシンだった」と驚嘆した。
 
 4人のなかでもっとも好調なのは、公式戦18試合で20得点を決めているオーバメヤンだ。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのガボン代表FWには、こんな噂が飛び交いはじめている。

「バルセロナのスカウトが何度か視察に訪れ、ブレーメン戦でもその姿が目撃された」
 
 はたして、その噂は真実だろうか? 確かにオーバメヤンは目ざましい進歩を遂げ、ユルゲン・クロップ前政権時よりもコンビネーションプレーにうまく絡んでいる。とはいえ、ボールポゼッションに重きを置くバルサのスタイルにフィットするとは思えない。
 
 ドルトムントとしても、この夏に2020年夏まで契約を延長したエースのオーバメヤンを簡単に手放す気はない。ハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOは先頃、「どのクラブも、我々とオーバメヤンの契約状況を知っているはずだ」とコメントしている。
 
 スペイン人の母を持つオーバメヤンが、リーガ・エスパニョーラでのプレーに魅力を感じているのは事実だ。しかし、来夏に移籍する可能性はかなり低いと私は見ている。

次ページ前線4人のうち、もっとも去就が不透明なのはムヒタリアンだ。

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