【セルジオ越後の天国と地獄】“ボロボロ”のガンバに勝っただけで、これでアントラーズを「強い」と錯覚してはいけない

2015年10月31日 サッカーダイジェスト編集部

一番頑張っているクラブが、疲弊して、結果を逃す…。

前半は耐えたけど、後半に息切れしたガンバ。ここ最近の過密スケジュールの影響が出てしまい、連覇はならなかった。写真:サッカーダイジェスト

 史上最多となる6度目の優勝を目指すアントラーズか、連覇を狙うガンバか。注目のカードとなった今年のナビスコカップ決勝は、アントラーズに軍配が上がった。
 
 0-0で折り返した後半、アントラーズはセットプレーとカウンターから3ゴールを奪取。守備も安定していてガンバの反撃を許さず、まさに盤石の強さを見せての完勝劇だったね。
 
 試合全体を振り返っても、アントラーズが圧倒したゲームだった。シュート数は24本のアントラーズに対し、ガンバは5本。ガンバは前半こそなんとか耐えたけど、後半は息切れしてしまった感じだ。
 
 両チームの実力を考えれば、ここまで差がつくような対戦ではなかった。にもかかわらず、一方的な展開になったのは、コンディションの差が大きかったんじゃないかな。ガンバはここ最近の過密スケジュールの影響が出てしまったと言わざるを得ないよね。
 
 ガンバは今回の決勝だけでなく、ACLの準決勝第2戦ではスコアレスドローでファイナル進出を逃すなど、いろいろと重要な試合をこなさなければいけないなかで、大事なところで勝ちを逃している。
 
 ここに来て、ガンバはボロボロになっている印象を受けるよ。リーグではチャンピオンシップを狙える位置にいて、ACLでは日本勢で唯一の4強入りを果たし、そしてナビスコカップでは決勝に進出。宇佐美、東口、丹羽、米倉と、代表に選ばれる選手も少なくない。今季、一番頑張っていると言ってもいいクラブが、疲弊して、結果を逃してしまう。
 
 ただ、スケジュールの影響が出ているのは間違いないけど、一方でタイトな連戦を乗り切るだけのキャスティングをできなかったとも言えるんだ。ある意味、ガンバはチーム編成を見直す時期に来ていると言えるかもしれないね。

次ページ通算17冠目は“慰め”のタイトルだね。

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