スペインの左サイドに最大警戒。D・オルモ&ジョルディをいかに止めるか。焦点の右SBに頼れる男が戻ってきた【W杯】

2022年11月30日 元川悦子

ドイツ戦でも左寄りの攻めを多用

29日に冨安が全体練習に合流。スペイン戦では右SBの有力候補だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 12月1日のグループステージ最終戦・スペイン戦に、カタール・ワールドカップ(W杯)の命運が託された日本代表。

 森保一監督は「今のベストを全てスペイン戦にぶつけたい」と気合を入れ直したが、酒井宏樹(浦和)は依然として別メニュー。11月27日のコスタリカ戦後には、中盤の要・遠藤航(シュツットガルト)も右膝痛で病院へ行ったという。

 検査の結果自体は問題なしだったが、28日の全体練習に合流しなかった。その遠藤と板倉滉(ボルシアMG)、山根視来(川崎)がイエローカードを1枚ずつもらっていることも含め、守備陣の陣容は本当に不安視される。

 それでも世界一のパスワークを誇るスペインを相手に守り倒さなければ、ベスト16進出は見えてこない。とりわけ、左SBのジョルディ・アルバ(バルセロナ)と、同サイドのFWダニ・オルモ(ライプツィヒ)の縦関係をどう封じるかは非常に大きなポイントだ。

 27日のドイツ戦を見ても、スペインは左寄りの攻めを多用。D・オルモが中に絞ってジョルディがタッチライン際を駆け上がり、2対1を作ってドイツ守備陣を攻略するシーンが数多く見られた。
 
 62分のアルバロ・モラタ(A・マドリー)の先制弾は、まさに象徴的なシーン。内側に入ったD・オルモが外を駆け上がったジョルディに展開。グラウンダーのクロスを供給し、モラタが右足で流し込んだ。

 彼らと対峙することになる右サイドの伊東純也(S・ランス)が「左サイドは相手のストロングポイントだと思います」と警戒心を露にしたほどだ。

 今の日本にとって厳しいのは、右SBの酒井が出られるかどうか分からないこと。マルセイユ時代にネイマールら世界的アタッカーとのマッチアップを繰り返し、駆け引きを身に着けている酒井がいてこそ、右サイドは盤石だった。

 本人も今回のW杯を集大成だと考えているだろうから、無理をして強行出場を志願するかもしれないが、酒井自身のキャリアと、ベスト8という大目標を視野に入れると、森保監督が決断できるかどうかは未知数だ。

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