「ハセベは普通ではない。信じがたい」ドイツのレジェンドも絶賛した長谷部誠が指摘した、ブンデスとCLの違い。「トッテナムのような相手だと…」【現地発】

2022年10月08日 中野吉之伴

「いざプレーしてみると、そんなに変わらない」

トッテナム戦でハイパフォーマンスを披露した長谷部。(C)Getty Images

 チャンピオンズリーグ(CL)仕様に彩られたフランクフルトのドイチュバンク・パルクでファンの熱気がどんどん高まっていく。5万500枚のチケットは完売。サポーターは次々にクラブマフラーを高々と掲げ、大声でクラブソングを歌い、スタメン発表で絶叫し、そしてボルテージが最高潮になってきた中、CLのアンセムとともに鷹の戦士がピッチに入場してきた。

 スマホを片手に夢中で録画する者、手を胸に当てて感無量になっている者、握りこぶしを突き上げて雄叫びを上げる者……。クラブの総力を挙げてつかみ取った夢舞台だ。

 グラウンドでファンに手を振る選手の中に長谷部誠の姿があった。CLグループステージ第1節、スポルティングとのホーム戦はベンチスタートで、2節のマルセイユはアウェー戦だったので、ホームでスタメン出場し、満員に埋まった本拠地のピッチでCLアンセムをピッチで聞くのは初めてだ。

 ぐっと胸にくるものもあったのだろうか。でも試合が始まると平常心の長谷部がそこにいた。

「いざプレーしてみると、サッカーの試合なので、そんなに変わらないです。昨シーズンもヨーロッパリーグでいろんな国のチームと対戦しているので、思ったよりは普通な感じでやってます」
 
 その言葉通りこの試合でもきわめて冷静に、極めて明確なプレーでチームを統率。プレーの無駄のなさが半端ない。試合前にはテレビ解説を務めていた元ドイツ代表のレジェンド、マティアス・ザマーが「ハセベは普通ではない。38歳でいまだにトップパフォーマンスというのは信じがたい。チームにものすごい影響を与えている」と絶賛していた。

 両チーム決定打を欠いたままスコアレスドロー。勝てるチャンスもあったが、負ける可能性もあっただけに納得のいく勝点1だろう。

「自分たちは攻撃に出たときにかなりミスが多かったし、とくにボールを取ってからのミスが非常に多くて、いい形まで行けなくて。お互い2、3本チャンスがあって、お互い決めきれなくての0-0。受け入れられる引き分けかなと思います」

 長谷部の指摘通り、この試合ではゲームメイクからチャンスメイクの局面でミスが目立った。本来であればボールを素早く正確にコントロールし、ゴール方向へスピードアップできるはずの選手たちがパスミス、トラップミスを繰り返す。

【動画】イングランド代表ケインと激しいマッチアップ! 長谷部誠の奮闘シーンをチェック

次ページ指揮官は「うちのオフェンス陣も驚いたことだろう」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事