【選手権予選:展望】実力校ひしめく“激戦区”埼玉の頂点に立つのは? 優勝候補の昌平に西武台、成徳深谷、武蔵越生、浦和南などが立ち向かう!

2022年10月06日 河野 正

プロ内定2人を擁する昌平は2年ぶり5度目の優勝を目ざす

今夏のインターハイ埼玉予選決勝で激しいバトルを繰り広げた昌平(左)と成徳深谷(右)。選手権予選ではどの高校が頂点に立つのか、注目だ。写真:滝川敏之

 第101回全国高校サッカー選手権・埼玉大会は10月9日、例年と同数の52校が参加する決勝トーナメントが開幕する。

 今夏の全国高校総体(インターハイ)で4強入りし、優勝候補筆頭の昌平が2年ぶり5度目の頂点に立つのか、それとも多士済々の実力校が昌平を倒すのか。ここが一番の見どころとなる。

 大会は1回戦から3回戦まで原則無観客で、準々決勝以降は有観客で開催する予定。11月13日の決勝は、15年ぶりにNACK5スタジアム大宮でキックオフされる。

 昌平の攻撃の中枢は、FC東京への来季加入が内定した荒井悠汰(3年)で、篠田翼(3年)とともに縦への推進力に加えて決定力も高く、相手の脅威になるサイドMFだ。

 今季はセットプレーからの得点が多く、MF土谷飛雅(2年)はFKで際どいコースを狙う。多彩な攻撃を支えるのが堅ろうな守備で、現在首位のプリンスリーグ関東1部では、最少失点を誇る。鹿島アントラーズへ来季加入予定の主将でCBの津久井佳祐(3年)は、怪我が完治する準々決勝から復帰する見通しだ。
 
 高校総体予選ベスト4で、今大会連覇を目ざす西武台は、CBの長谷川智紀と河合陸玖(ともに3年)が強固な守備ラインを形成。MF和田力也(3年)はゲームを組み立て、得点にも絡み、ロングスローからもチャンスを演出する攻撃の大黒柱だ。

 インターハイ予選準優勝、関東大会予選4強の成徳深谷も経験豊富なGK木村航大、CB増子颯竜(ともに3年)を軸に守備が堅い。左SB鈴木嵐(2年)の鋭い左足キックは威力満点だ。初優勝のカギを握るのは、攻撃陣の決定力と思われる。

 武蔵越生は関東大会と総体の両予選でベスト4入りし、総合力と完成度が高い。県内屈指のGK関根拓郎(3年)が守備に安定感をもたらし、FW荒関龍(3年)や切り札のMF安西歩夢(3年)らが好機を決めきるのが勝ちパターンだ。

 関東大会予選覇者で、県S1リーグ暫定2位の正智深谷も力はある。佐藤瞭丞と春山朔也(ともに3年)の両MFがチャンスを作り、守備もCB小屋結世(3年)を中心に堅い。
関東大会予選準優勝の武南は、松原史季(2年)や山田詩太(3年)の両MFをはじめ、才能豊かな人材を多数抱える。16年ぶりのタイトルは、勝利への強い欲を出しきれるかに懸かる。
 

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