【日本代表】ようやく迎える“歯応えのある相手”との一戦。10.13イラン戦の意義とは?

2015年10月11日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

いずれ代表の主軸を担うであろう若手の積極起用に期待。

A代表初招集の南野がイラン戦でデビューを飾るのか。今回の招集メンバーのなかでも注目の人材のひとりだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 今後もワールドカップ・アジア2次予選で格下との対戦が続く日本代表にとって、次のイラン戦は現在の実力を図るうえで重要なテストマッチだ。親善試合とはいえ、イランに乗り込んでのアウェー戦。8万人収容と言われるアザディ・スタジアムは異様な空気に包まれる。そこで力のあるチームと対戦できるのは得難い経験で、特に若手選手たちにとっては意味深い試合になるはずだ。
 
 ハリルホジッチ監督に求めたいのも、その若手や代表での出場経験の少ない選手にチャンスを与えること。様々な選手をテストし、チームとしてのオプションを増やすのが、イラン戦でもっとも重要視すべき部分だろう。
 
 その意味で言えば、スタメンは本田や香川、岡崎といった常連組を並べたとしても、積極的な選手交代が必須だ。6人の交代枠を使い切るのは当然としても、場合によってはハーフタイムから交代選手を投入し、長いプレータイムを与える采配も視野に入れるべきだろう。
 
 ベンチを温める機会が増えた柴崎や怪我から復帰した清武はもちろん、初選出の南野もピッチ上で見てみたい人材。いずれ代表の主軸を担うであろう若手の積極起用は、日本代表が大目標に置く、2018年のロシア・ワールドカップにもつながる。現レギュラーの尻を叩く意味でも、ハリルホジッチ監督には思い切った決断をしてほしいところだ。
 
 守備的なポジションの選手であれば、塩谷や米倉にもチャンスが与えられてしかるべきだ。内田不在の影響が露骨に現われている右SBは、両者ともこなせるポジションだ。塩谷は安定した守備や中央へ切り込んでゴールに絡むプレー、米倉であればタイミングの良いオーバーラップと武器を持っており、酒井宏や酒井高を抜いて一気に序列をくつがえす可能性もある。ハリルホジッチ監督は、米倉を左SBのバックアップと考えているようだが、右でもハイパフォーマンスを見せられれば、代表定着への大きな足がかりを掴めるはずだ。

次ページ「縦に早い」か「幅を取る」か。相手の出方に応じた適切な選択が求められる。

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