「いつになったら歳取るんだろう」STVV岡崎慎司のマインドはサッカー小僧のまま。カタールW杯にも「滑り込みたい」

2022年10月04日 元川悦子

「挑戦してもっとクオリティを出せるように」と前向き

STVVでスタメン出場を続ける岡崎。「ラスト1枠を手繰り寄せられるかどうか」とカタールW杯もあきらめていない。写真:元川悦子

 現地時間10月2日の21時という深い時間帯に行なわれたベルギー1部の第10節、シント=トロイデン(STVV)対オイペン。プレーオフ進出や欧州リーグ参戦を目ざしているSTVVとしては、今季開幕から下位に低迷している相手を本拠地スタイエンで叩いて、8位以内確保の布石を打ちたかった。

 先発2トップに入った岡崎慎司は、コンビを組むジャンニ・ブルーノと激しくポジションを入れ替えながらスペースへの侵入を試みる。10分には左CKに反応し、ファーサイドで右足を合わせに行くチャンスを迎えたが、得点には至らなかった。

 8月19日にSTVVに加入し、翌20日のオーステンデ戦で新天地デビューを飾ってから6試合連続でスタメン出場中も、まだ1ゴールにとどまっている岡崎。生粋の点取り屋は、得点への飽くなき渇望を序盤から前面に押し出し続けたのだ。

 相手守備陣への果敢なプレッシングなど、持ち前のハードワークも健在。その運動量とプレー範囲は、とても36歳とは思えない。前から守備に行ける選手を欧州の指揮官は重用する傾向が強いが、ベルント・ホラーバッハ監督もそういった岡崎の献身性を高く評価したからこそ、開幕後の契約に踏み切ったのだろう。

 そのアグレッシブさが結果につながれば良かったが、この日のSTVVは決め手を欠く。後半には橋岡大樹が2つの決定機を逃し、逆にカウンターから失点してしまう。岡崎自身のシュート場面もほとんどなく、結局、試合は0-1で終了。手痛い敗戦を喫し、順位も11位に下げることになった。

「今日は僕らが上に行くためにも勝たないといけないゲームだった。正直、残念でした」

 試合後のミックスゾーンにやってきた岡崎は神妙な面持ちでこう切り出したが、とにかく前向きだった。

「自分自身にボールも来なかったですね。もちろん、そういう試合もあるし、それもサッカー。自分も合わせていかないといけない。個の部分も必要になってくるって意味では楽しい。それができるようになったら、僕はさらに価値を示せる。挑戦してもっとクオリティを出せるようにしたいですね」
 
 岡崎にとってベルギーは、ドイツ、イングランド、スペインに続く欧州4か国目のリーグ。欧州5大リーグよりレベルが下がると見られがちだが、独特の難しさがあるという。

「ベルギーは今まで行ってたリーグと異なっていて、特徴がハッキリしないというか。組織でやってる時もあるし、個の能力が強いかと思ったら、そうじゃない時もある。そのバラバラ感が難しさでもあるんで。

 でも逆に、個人の評価を得られるリーグだと思うんですよね。ここで何ができるかをトップリーグが見て引き抜いていく。だから今まで結果を出してきた選手をすごくリスペクトできるなと感じます」
 

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