【消えた逸材】パリSGの最年少ゴール記録を持ち、17歳で日韓W杯に出場した早熟の天才。37歳の現在はインドでレジェンドに!

2022年10月01日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

17歳と8か月でのW杯エントリーはナイジェリア史上2番目の若さ

17歳でナイジェリア代表の9番を背負い、日韓ワールドカップに出場したオグベチェ。 (C)Getty Images

バーソロミュー・オグベチェ(FW/元ナイジェリア代表)
■生年月日/1984年10月1日
■身長・体重/177センチ・78キロ
 
 ヨーロッパの表舞台からは消えてしまったかもしれない。しかし、サッカーの世界から消えたわけではない。インドでは歴史に名を残すレジェンドだ。
 
 2018年から4年間で積み重ねた通算53ゴールは、インディアン・スーパーリーグ(ISL)の歴代最多記録だ。14年にスタートとリーグの歴史が浅いとはいえ、77試合で53ゴールとハイペースで量産した。21-22シーズンはハイデラバードFCで18ゴールを挙げてISLのシーズン最多得点記録に並んだ。
 
 バーソロミュー・オグベチェは、37歳にして我が世の春を謳歌している。
 
 経歴は輝かしい。パリ・サンジェルマンに青田買いされ、17歳になる直前にプロデビューを果たすと(01年9月のリーグ・アン8節モンペリエ戦)、17歳になってすぐに初ゴールを決めてみせた(01年11月のリーグ・アン15節ナント戦)。17歳55日でのそのゴールは、パリSGのクラブ最年少記録だ。
 
 身体能力に優れ、パワフルかつ俊敏で、まるでゴム毬のように躍動する。上背はないが、筋肉質の体躯は均整が取れ、競り合いを恐れず、身体ごとゴールに向かっていく、そんなダイナミックなストライカーだった。
 
 公式戦28試合に出場して5ゴールを挙げたデビューシーズンの終盤、02年4月にナイジェリア代表にデビューし、日韓ワールドカップのエントリーメンバーに入った。単なる数合わせではない。当時のフェスタス・オニグビンデ監督から背番号9番を与えられ、初戦のアルゼンチン戦、続くスウェーデン戦に先発出場した。17歳と8か月でのW杯エントリーは同国史上2番目の若さで、スタメン出場はナイジェリアの史上最年少記録だ。
 
 成功へと続くレールに乗って走り出したかと思われた。そうではなかった。続いていたのは茨の道だった。02-03シーズンは太腿の怪我もあって公式戦24試合・1ゴールと成績を落とすと、翌03-04シーズンからはレンタル生活が始まった。前半戦で結果を出せず、1月から半年間レンタルに出されるというシーズンが2年続いた。メスから戻った05年の夏、パリSGに居場所はなくなっていた。
 

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