【日本代表】“ハリルワード”から探るシリア戦の見どころ/テクニック重視なら香川と清武のダブルトップ下も面白い

2015年10月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

南野はリーサルウェポンになれるか。

今回A代表初選出の南野。右でも左でも器用にこなす将来性豊かなアタッカーで、シリア戦で出番がなくても続くイラン戦では起用されそうだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 10月1日に、ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦(同8日)、イランとの親善試合(同13日)に向けたメンバー23人が発表された。当日の会見ではハリルホジッチ監督がアウェーで戦う2試合の意義、選手の選考理由などを述べたが、そのなかで興味深かったコメントをヒントにシリア戦の見どころを探ってみた。
 
【Photo】10.8シリア戦&10.13イラン戦に向けたメンバー23人

●"ハリルワード"1
「南野は現代のフットボールに適応できるアタッカー。ゴール前にしっかり現われる」
 
<SD編集部の見解>
 得点力アップを睨んで選出された南野について、ハリルホジッチ監督は「数年後には日本代表にとって効果的な選手になる」とも言っている。このコメントから察するに彼の招集は将来的な布石の意味合いが強く、いきなりシリア戦でスタメンを任せるようなことはしないだろう。
 
ただ、今季ここまでのザルツブルクでの活躍は素晴らしく、その勢いを指揮官が買えば途中出場のチャンスは十分になる。守備を固めてくるだろうシリアに対し、「ゴール前にしっかり現われる」南野はリーサルウェポン(秘密兵器)になれるか、興味深い。
 
●"ハリルワード"2
「今のところ、ロングボールを前線に放り込むのは我々のアイデンティティではありません」
 
<SD編集部の見解>
 会見の席でMFのメンバーを発表した際、ハリルホジッチ監督は「テクニックある選手を選んだ」と言った。前回まで呪文のように唱えていた「デュエル(格闘の意)」、「球際の強さ」といったフレーズがすっかり影を潜めたのは、シリア戦ではポゼッション重視のサッカーを展開しようとしているからではないか。
 
 シリア戦ではクロスよりも「グラウンダーのパス、特に背後へのボールを使いたい」(ハリルホジッチ監督)ということであれば、クロスの名手・太田(FC東京)が落選したのも頷ける部分はある。
 
 テクニックを最重視するなら、4-1-4-1システムで香川と清武をダブルトップ下に置くのも面白そうだ。ハリルホジッチ監督は清武について「ビルドアップのクオリティが高い」と称賛しており、攻撃的センスも兼備する彼をスタメンに抜擢しても不思議はない。
 

次ページシリアより準備期間が極端に短いのは小さくないハンデ。

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