「楽しいですよ、やっぱり」三笘薫が口にしたプレミアへの“本音”。ブライトン番記者の印象は?「カオルがピッチに立つと…」

2022年09月04日 松澤浩三

記者席の目の前では敵ファンが野次を

フルアム戦ではアグレッシブな仕掛けで、見せ場を作った三笘。(C)Getty Imgaes

 去る8月31日(現地時間)に敵地クレイブン・コテージで行なわれたプレミアリーグ第5節のフルアム戦。ブライトンのグラハム・ポッター監督は、今シーズン初めてダニー・ウェルベックをベンチスタートにさせ、本職のセンターフォワードを置かない布陣で試合に臨んだ。

 しかし、基点を欠いたチームは効果的なボール運びができず。思うように好機を生み出せない。逆にフルアムは、堅守からの素早いカウンターを中心に度々ブライトン・ゴールに襲い掛かる。とりわけエースのアレクサンダル・ミトロビッチは危険な存在となり、ディフェンダーの背後や間にスペースを見つけては力強い走りで急襲。ブライトン守備陣を慌てさせる場面が何度も見られた。

 前半はスコアレスで持ち越えたブライトン。しかし、後半開始から3分後に先制点をねじ込まれる。決めたのはやはりミトロビッチだった。さらにアウェーチームは55分にも、キャプテンのルイス・ダンクが敵のクロスをゴールに蹴りこむ痛恨のオウンゴールで失点。2点差にされてしまう。

 その後、63分にアレクシス・マク・アリステルのPKで1点を返すが、依然としてフルアム優勢の雰囲気は変わらない。そんな1点差を追いかける状況を打破すべく63分にポッター監督が動く。
 
 今季は5人の交代枠を使えるため、47歳の指揮官は、躊躇なく3枚替えを敢行。満を持してピッチに送り出したのはウェルベック、タリク・ランプティ、そして三笘薫だった。

 指揮官からの指示は「(サイドに)張って仕掛けろっていうとこだけです」と試合後に本人が明かしたとおり、三笘は左サイドから率先し、積極果敢に仕掛ける。交代出場から2分後の65分に中央左寄りでボールを受けるとすかさずカットインし、ペナルティーエリアに走りこんだウェルベックにファイナルパスを供給。さらに68分には、ふたたび左サイドでボールを受けた日本代表MFはダイレクトで前方に出すと、ソロモン・マーチと鮮やかなワンツー。最終的にマーチからのクロスを味方が足もとに収められずに好機を逸した。

 さらに70分、自陣でボールを受けると、レアンドロ・トロサールとのコンビネーションで前へと抜け出し、左サイドを駆け上がる。そして前線でボールを受けてから右足のアウトサイドでクロスを供給するも精度が低く決定機に繋がらなかった。その直後にも、トロサールにスルーパス。しかし、ベルギー代表MFが右足で放ったシュートはゴールキーパーに止められてアシストとはならなかった。

 これら一連のプレーは記者席の目の前で起こっていた。周囲にはホームのフルアム・サポーターばかり。アグレッシブな三笘のプレーを目の当たりにした敵地のファンからは多くのヤジが飛ばされていたが、これもまた、この25歳の日本人を彼らが脅威に感じていた証だったと言って良い。

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