「選ばれし者だ」もうひとりの“イブラ”が覚醒!3試合で6得点&1アシストと格の違いを見せつける「とっとと契約延長すべき」

2022年08月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ズラタンに通ずる部分が少なくない

ドイツの世代別代表でも高い得点力を示しているアリヨン・イブラヒモビッチ(左)。(C)Getty Images

 イブラヒモビッチが絶好調だ。といっても"生けるレジェンド"の方ではない。開幕戦からのゴールラッシュでにわかに注目を集めているのは、バイエルンU-19で10番を背負っているMFアリヨン・イブラヒモビッチだ。

 トップ下を主戦場に左右のウイングもこなせるアリヨンは、1860ミュンヘンU-19とのU-19ブンデスリーガ(南/南西地区)開幕戦でドライアーパック(ドイツでは前後半合わせての3得点をこう呼ぶ)を記録。決勝点となる2ゴール目のアシストを含め、チームの全4得点に絡む大車輪の活躍を披露した。

 翌節のウンターハヒンクU-19戦で1ゴールを上乗せしたアリヨンは、現地27日に行なわれた3節のカールスルーエ戦で今度は2ゴール。開幕3試合で6発のゴールラッシュを決め込み、ドイツサッカーのユースウォッチャーを唸らせている。

 テクニックに優れ、緩急をつけたドリブルや鋭いラストパスを放つなど、ゴールセンス以外の魅力にも溢れるアリヨンは強いパーソナリティーの持ち主でもあるようだ。

 1860ミュンヘン戦でこんなシーンがあった。相手のゴール前まで侵入すると、相手GKと接触。そこでボールを掴んだGKに詰め寄っただけではない。間に割って入ろうとした他の相手選手たちを片っ端から睨みつけ、鼻っ柱の強いところを窺わせたのだ。

 ちなみに、グラウンダーのクロスで見事なアシストを決めたときは「どうだ」と言わんばかりに両手を広げ、ゴールを決めたチームメイトを自身の元に呼び寄せていた。傑出した得点力、そして相手を手玉に取るスキルを含め、ファミリーネームが同じ(で血縁関係はない)ズラタン・イブラヒモビッチに通ずる部分が少なくない。
 
 もちろん、まだ16歳の青年がどれだけユースで格の違いを見せつけようと、ズラタンのように大成する保証はどこにもない。ただ、ファンの心をくすぐるタレントなのは事実だ。実際、SNSは「世界一のイブラヒモビッチ」といったユーモラスな表現を含めた投稿が相次いでいる。

「選ばれし者だ」
「このまま順調に成長するようなら、とっとと契約延長しておくべきだ」
「(トップチーム昇格済みの16歳)ヴァナーより良いんじゃないか」
「今シーズン中にはトップチームで見られるだろう」
「ナーゲルスマン(バイエルン監督)、この子に気づいて」

 余談だが、アリヨンがこの世に生を受けた2005年12月11日、ユベントス加入2年目のズラタンはセリエAのピッチに立っていた。パベル・ネドベドやダビド・トレゼゲ、パトリック・ヴィエラ、ファビオ・カンナバーロ、リリアン・テュラムといった錚々たるレジェンドとともに、カリアリとの05-06シーズン第6節に臨んでいたのだ。

 そのイブラが41歳を目前にした現在もなお第一線を走り続けているのは、やはり奇跡的なこと(現在は負傷離脱中)。もうしばらく現役生活を続けるようなら、自身に憧れているというアリヨンとの「イブラヒモビッチ対決」に臨む日がやってくるかもしれない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

【動画】プレシーズンマッチで鋭いFKを叩き込むアリヨン・イブラヒモビッチ

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