世界選抜を経験した興國の2年生アタッカー千葉大舞。サッカー大国への遠征で受けた刺激「遊び心が凄い」

2022年08月21日 安藤隆人

貴重な経験を積み、自身の現在地も痛感

興國の千葉は、今年6月に世界選抜の一員として海外へ遠征。多くの貴重な経験を積んだ。写真:安藤隆人

 10代。多感な時期に何を見て、何を経験し、何を学ぶかで今後の人生は大きく左右される。スポーツの分野でもこれは当てはまり、スポンジのような吸収力を宝の持ち腐れにしないためにも、周りの大人がどのようなきっかけや環境を与えるかが重要になってくる。

 今年6月、1人の高校生プレーヤーが世界に飛び出し、ブラジル、ドイツというサッカー大国で大きな経験を積んだ。

 興國(大阪)の2年生アタッカー千葉大舞は、独特のリズムのドリブルとワンタッチパスの正確さ、そしてゴールへ直線的に結ぶ縦への推進力が売りのMFだ。千葉は6月に、ドイツのビッグクラブであるバイエルンが行なうイベントに日本の代表として参加。若いタレントの発掘と育成を理念に、2004年、2005年生まれの選手を世界中からセレクトした世界選抜の一員として、ブラジル、ドイツでのトレーニングキャンプに臨み、この2か国の強豪クラブのU-19チームと親善試合(ブラジルではバスコ・ダ・ガマ、フラメンゴと、ドイツではヴォルフスブルク、バイエルン・ミュンヘンと対戦)も行なった。

 そこで千葉は、貴重な経験を多く積んだと同時に、自分の現在地も痛感させられた。8月上旬に実施された和倉ユースサッカーフェスティバルで、千葉は興國の内野智章監督と、この経験で得たものを自分の成長につなげるためのすり合わせを積極的に行なっていた。その内容とはどのようなものなのか、本人に訊いてみた。
 
「ブラジルではどのチームにもネイマールに似たドリブラーがいて、速くて、とてつもなく上手い。大臀筋の強さ、大きさが凄まじくて、簡単にバランスを崩さないし、強くあたってもびくともしませんでした。それでいて遊び心が凄いんです。相手をいなして、いなして、最後は嘲笑いながらかわしていく。良い意味で遊んでいるんです。僕がしたいドリブルのお手本を見せてもらいました。

 ドイツでは個々の高いディフェンス能力に加えて、組織的なディフェンスができていて、ちょっとでも余計なボールタッチがあるとたちまち選択肢を奪われました。ワンタッチ、ツータッチプレーの質を向上させないと、向こうはそんな簡単にドリブルをさせてくれないし、ドリブルをしようとしても足ごと持っていかれてしまう。そこがすごく大きな差だと思いました」
 

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