冨安健洋は“強力ライバル”の出現で控えに降格してしまうのか。英国人記者の見解は?【現地発】

2022年08月20日 スティーブ・マッケンジー

「トミヤスのほうがはるかに優れている」と指摘した点は?

ホワイト(左)の右SB起用で冨安(右)の立場は…。(C)Getty Images

 トミヤス(冨安健洋)のコンディション不良とマルセイユからレンタルバックされたCBウィリアム・サリバの成長により、アーセナルは開幕2試合で、右SBにベン・ホワイトを起用した。

 昨シーズンはCBのレギュラーだったイングランド代表DFのホワイトは、専門的なSBではないが、ここまでは非常に良いプレーを見せている。空中戦に強く、ミケル・アルテタ監督の守備システムに合っているようだ。開幕節のクリスタル・パレス戦では敵のベストプレーヤーであるウィルフリード・ザハと対峙し、封じ込めた。

 そんななか、4-2で勝利した2節のレスター戦で、74分からホワイトに代わってトミヤスがピッチに立った。約3か月ぶりに復帰に、アーセナルのファンからは大声援。彼が観客のお気に入りであるのは一目瞭然だった。
 

 とはいえ、ホワイトの存在により、故障離脱しても復帰すれば、すぐにポジションがあった昨シーズンまでと違い、今シーズンはレギュラーが確約されていない。

 ただ、遅かれ早かれ、トミヤスが一番手になるのでないかと見ている。彼は1対1の守備にとても強いだけでなく、攻撃力もあるからだ。今シーズンのアーセナルは、多くの試合でゲームを支配できるだろう。攻撃面では、ホワイトよりもトミヤスのほうがはるかに優れている。

 昨シーズンは控えのセドリク・ソアレスが、とりわけ守備面で心許なかったため、万全でない状態で冨安を送り出し、負傷交代した試合もあった。ホワイトがいれば、無理せずに休めるだろう。"強力なライバル"の登場は、日本代表DFにとって、むしろプラスに働くかもしれない。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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