【連載】霊長類ヒト科サポーター図鑑vol.3「宮本奈苗」(愛媛FCサポーター) ――壮大な構想を持ちながらクラブの後押しを

2015年09月25日 宇都宮徹壱

いずれ愛媛FCのコンシェルジュ検定試験を作りたい。

『おもてなしステーション』で来場者たちのサポートをする宮本さん。毎回、家族と一緒にチームを応援していると話す。写真:宇都宮徹壱

「それぞれの持ち場でクラブに貢献できることを」
宮本奈苗(J2 愛媛FCサポーター)
 
 ホームゲームがある日は、いつもニンスタの2番ゲートの近くにある『おもてなしステーション』に、キックオフから30分後くらいまでいます。
 
 どういうことをするかというと、初めてスタジアムに来たような方にお声がけして、チャントの歌詞やコールの内容を書いたカードを渡したり、その日の注目選手を教えたり。なにも知らずに、誰とも関わることなく観戦するよりも、そっちのほうがきっと楽しいだろうし、また来ようと思ってくれるんじゃないかと。
 
 クラブも協力してくれますが、現時点ではあくまで自主的な活動です。そもそもクラブもスタッフが少なくて、あちこち手が回らないことは誰もが知っていますし(苦笑)。
 
 この『おもてなしステーション』には、実は壮大な構想があって、いずれは愛媛のコンシェルジュ検定試験を作ろうと考えているんです。
 
 クラブの歴史とか、ニンスタは何人収容できるかとか、そういう基本的なことから始まって、ニンスタのどこでビールを売っているかとか、赤ちゃんのおむつを替えられるところはどこかとか。その試験に合格した人には、特別なビブスを着てもらって、コンシェルジュとしての責任と誇りをもって参加してもらいたいんです。
 
 ボランティアの活動って、やっぱり人を集めるのが難しいですよね。みんな試合が観たいわけですから。ですので、それぞれの持ち場でクラブに貢献できることを目標にしているんです。

次ページ自分の思いついたことをやりやすい環境。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事