【今だから言える15年夏の超極秘話③】ユーベがシケイラを捨ててA・サンドロを獲った舞台裏

2015年09月25日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

契約書にサイン目前で突然連絡を絶った。

ユーベはA・サンドロが市場に出たことを察知すると、即座に動いて獲得交渉をまとめた。(C)Getty Images

 ポール・ポグバのケースにも表われているように、ユベントスは選手や代理人に対してフェアに振る舞うことで知られる。
 
 だが今夏、その原則をみずから破るような出来事があった。
 
 相手はA・マドリーの左SB、ギリェルメ・シケイラ。8月初旬には両クラブがすべての移籍書類にサインし、あとはシケイラが契約書にサインするだけという状態になっていた。
 
 シケイラ自身は、パリSGなど他のクラブからもオファーが届いていたこともあり、当初は少し考える時間がほしいというスタンスを取っていた。
 
 これに対してユーベは繰り返し電話で説得にあたり、契約の詳細を詰めるなどして移籍を了承させ、あとはサインだけというところまでこぎ着けたのだ。
 
 ところが、明日シケイラが契約書にサインするという段階で、突然ユーベが連絡を絶ったのである。
 
 後に明らかになるその理由は、ユーベにとっては左SBの本命だったアレックス・サンドロが、来夏に満了するポルトとの契約を更新しない決断を下したため、有利な条件で獲得できる可能性が生まれたからだった。
 
 A・サンドロの代理人はこの時点ですでに、1年後にフリーでマンチェスター・シティに行くという密約を交わしていた。
 
 しかし、移籍金ゼロで失うのを避けたいポルトが、ユーベとの交渉を受け入れたというわけだ。

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