香川真司のメガクラブへのリターンは? 今季のプレーぶりと過去の事例から可能性を探る

2015年09月22日 遠藤孝輔

本人がドルトムントとの離別を望んでいなくても。

ブンデスリーガ5節を終えて、2ゴール・3アシスト。現在の調子を維持できれば、推定市場価格が高騰するのは間違いない。(C) Getty Images

 快進撃を続けるドルトムントの中心選手として、持ち前の攻撃センスを発揮している香川真司。完全復活への道を歩むこの"回復期待株"の未来は……。今季のプレーぶりに触れつつ、メガクラブへのリターンの可能性を探った。

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 今季の開幕前にトーマス・トゥヘル新監督を迎えたドルトムントのトップ下として躍動し、公式戦11連勝と絶好のスタートを切ったチームに貢献している香川真司。
 
 本人が「納得していない」と振り返る昨季とは異なり、ほぼ毎試合のようにゴールに直結する仕事をやってのけ、5節を終えたブンデスリーガで2ゴール・3アシスト、4試合に出場したヨーロッパリーグで3ゴール・1アシストを記録している。
 
 好調のチームメイトたちとの連係が冴えているのはもちろん、見逃せないのはゲームメイクにおける貢献だ。
 
 トップ下の位置から中盤の底まで下がり、ポゼッションを重視するチームのボール回しを円滑にさせる役割などもこなしつつ、ゴール前でのクオリティを落とさずに、幾度となく違いを作り出しているのだ。
 
 シーズンはまだ始まったばかりとはいえ、リーグ2連覇に貢献した2010~12シーズンの頃と比較しても、ひと回りもふた回りも成熟した印象を受ける。
 
 たとえ現在の調子を維持しつづけるのが困難でも、大きなスランプに陥らずに、チームの上位進出に貢献するようなら、約13億6000万円まで下落した推定市場価格が高騰するのは間違いない。
 
 それが実現した暁には、欧州最高峰に位置しているメガクラブの獲得リストに再浮上する可能性は十分にある。一度、マンチェスター・ユナイテッドで辛酸をなめた香川自身が、ドルトムント復帰時に「家族のようなもの」と語ったクラブとの離別を望んでいないとしても、一流選手獲得のためには金に糸目をつけないメガクラブは、ドルトムントや代理人を口説きにかかるだろう。

次ページ返り咲きの好例は、ベルギー代表のデ・ブルイネ。

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