【総体】優勝候補同士が激突する準々決勝を展望! タレント集団・昌平を相手に大津は4年前のリベンジを果たせるか。セットプレーの攻防に注目!

2022年07月27日 松尾祐希

優勝候補同士の顔合わせが実現!

昌平の荒井(左)と大津の小林(右)。ベスト4に勝ち進むのはどちらのチームか。(C)SOCCER DIGEST

 FC東京内定でU-19日本代表のMF荒井悠汰(3年)を擁するタレント集団・昌平(埼玉)か。それとも昨冬の高校サッカー選手権で果たせなかった初の日本一を目ざす大津(熊本)か。7月27日に行なわれるインターハイの準々決勝。最注目は昌平と大津の一戦だ。

 優勝候補同士の顔合わせとなったが、両チームには遠からず縁がある。4年前の夏、インターハイの準々決勝で両者は対戦。DF福島隼斗(湘南)を擁した大津は、優勝候補の一角だった前橋育英(群馬)を2回戦で下し、初の日本一に向けて大きな期待が寄せられていた。

 だが、その進撃を止めたのが、当時埼玉県リーグ1部に所属していた昌平だ。テクニカルなスタイルはいまと変わらず、パスとドリブルを織り交ぜながら攻撃的なサッカーを展開していた。

 MF原田虹輝(長野)のプレースキックも冴え渡り、札幌大谷(北海道)との3回戦では0−2から逆転で3-2の勝利。原田がCKから2つのゴールをアシストするなど、勢いに乗った状態で大津との大一番、準々決勝を迎えた。すると、ふたたび躍動した原田が先制点を決め、終了間際には個人技で決勝点を奪取し、2-1の勝利。その後惜しくもベスト4で敗れたが、昌平の名を全国に轟かせるには十分過ぎる戦いだった。

 あれから4年。両雄がまたしてもインターハイの準々決勝で顔を合わせる。
 
 1回戦がシードとなった今大会の大津は、2回戦で瀬戸内(広島)、3回戦で関大北陽(大阪)と対戦。それぞれ3−1で勝利し、ベスト8に勝ち上がってきた。今季は、昨年のレギュラーがほとんど抜け、U-19日本代表候補でキャプテンのFW小林俊瑛(3年)とMF田原瑠衣(3年)以外は昨季のチームであまり試合に出られていない。

 そのため、今年のチームは経験値が浅く、精神的にも肉体的にも未熟だった。メンバーも定まらず、U-18高円宮杯プレミアリーグWESTでも苦戦。試合数にばらつきはあるものの、現在、9試合を消化し最下位と、思うように勝点を積み上げられていない。

 だが、「今じゃないですから」と平岡和徳総監督が話した通り、目先の結果を追い求めず、選手の成長を促すスタンスを追求。その結果、188センチの大型CB五嶋夏生(1年)やU-17日本代表のCB碇明日麻(2年)らが経験を積み、一皮剥けて守備陣の安定感が増した。

 アタッカー陣も191センチの小林を生かす攻撃が構築され、サイドハーフの田原や中馬颯太(3年)が蹴るクロスボールの質も向上。また、MF岩崎大翔(3年)も攻撃の切り札として台頭し、得意のドリブルで流れを変える存在として輝きを放ってきた。そうした積み上げが今大会では花開き、ベスト8進出という結果に結び付いたのは間違いない。

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