「100%ファウル」神戸の三木谷会長が猛批判したPK判定を、家本元審判員はどう見た?「ボールに先に触ったからいいという議論はありえない」

2022年06月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「残念ながら足が向かってしまった」

物議を醸しているPK判定について見解を示した家本氏。(C)SOCCER DIGEST

 ヴィッセル神戸の三木谷浩史会長がツイッターで不満を露わにし、大きくクローズアップされた判定について、元国際審判員の家本政明氏が見解を示した。

 該当のシーンは、6月18日に開催されたJ1リーグ第17節の柏レイソル対ヴィッセル神戸(3-1で前者が勝利)で、柏に与えられたPKだ。

 1-1で迎えた41分。神戸のペナルティエリア内で、ルーズボールを競り合った際、神戸のDF菊池流帆のスライディングで柏のMF戸嶋祥郎が倒れると、佐藤隆治主審がファウルを宣告。当初はエリア外と見なされてFKだったが、VARチェック、オンフィールドレビューも行なった結果、明らかにエリア内だったためにPKとなった。菊池にはイエローカードが出されている。

 このジャッジを、神戸の三木谷浩史会長は糾弾。自身のツイッターに「空振った足の踵がボールに先にあたっているようにしか、俺には見えない」「いくらなんでも酷すぎると思う」「VAR を見て、どうしてこの判断になるのか、意味が不明だ」などと投稿し、ファンからも「完全に誤審」「本当に酷い」といった声があがっていた。

 この試合を配信したDAZNの番組『2022 Jリーグ ジャッジリプレイ』に出演した家本氏は、この判定は「妥当だった」と主張した。

【関連動画】PK判定は妥当? 神戸の三木谷会長が「酷すぎる」と不満を露わにしたシーン

 三木谷会長は、「マッチコミッショナーにもし別の映像があるなら見せてくれと言ったら、それはあるけど、見せられないと言われた。我々の主張が間違えているなら、その映像を見せてほしい」ともツイートしていた。家本氏も、「(その瞬間は)真横のアングルが欲しいなと思いました」と話し、中継中の映像だけでは判断しにくかったとしたうえで、改めていろいろな角度からの映像を見た後での結論をこう述べている。

「(菊池は)ボールにコンタクトはしていると思います。ただ、ボールに弾かれて、残念ながら足が向かってしまった。戸嶋選手に対して何かしてやろうというのは全くないし、戸嶋選手もボールに触る前に止まっている。お互いに配慮をしてフットボールをしている。ただ、残念ながら膝のちょっと下ぐらい、一番痛いとことにスパイクが当たってしまった。これを過剰の力とはいえないですし、(タックルの)スピードもワンステップしてからなので、マックスでイエローカードかなと。(戸嶋に)ダメージはあるんで、ペナルティとイエローカードは妥当な判断」

 また、最初にPKではなくFKにしたことについては、「佐藤主審の位置からでは(ペナルティエリアの)ライン上に見えたと思う。迷ったから外(FK)にしたと思います」と指摘。「(最初はPKではなくFKだったため)神戸の選手は受け入れたんですよね。それがVARでPKになったため、ちょっとちょっとおかしくない? ボールにプレーしているし、となっていった」と、ヴィッセルの選手たちが猛抗議をするに至った経緯を推測した。

 家本氏は「よくボールに先に触れたからいいだろう、という議論があると思いますが、それはありえない話」と強調。「ボールに先に行っても、その後のダメージや配慮が担保されているものがフットボール。このケースは残念ながら配慮ができていなかったチャレンジなので、FK(ファウル)だと思う」と話し、「100%PKだった」との見解を示した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選!

【PHOTO】「美人すぎる」、「セクシーすぎる」フットボーラーの妻&恋人たち

次ページ【関連動画】PK判定は妥当? 神戸の三木谷会長が「酷すぎる」と不満を露わにしたシーン(3分40秒~)

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事