エスパルス内定の齊藤聖七、底なしの“清水愛”「一刻も早くオレンジのユニホームを着て、プレーしたい」【独占インタビュー】

2022年06月02日 安藤隆人

「なぜか一番愛着がある街なんです」

6月2日、来季からの清水加入が発表された齊藤。貫かれた“清水愛”や見据える未来について語ってくれた。写真:安藤隆人

 6月2日、流通経済大MF齊藤聖七の2023年シーズンからの清水エスパルス加入内定が発表された。

 神奈川県出身の齊藤は、地元のFCパルピターレジュニアユースから清水ユースに進み、トップ昇格を果たせずに流通経済大に進んだ。今回の内定は古巣復帰であった。

「たった3年しか住んでいないのに、なぜか一番愛着がある街なんです。不思議ですよね」

 齊藤は清水への思いを熱く語ってくれた。筆者は4年前、彼がトップ昇格できるか、できないかの瀬戸際にいる姿を目の当たりにしていた。

「多分厳しいと感じているのですが、やっぱり僕はトップ昇格が夢なんです。なので、どこかで諦めきれない自分がいるんです」

 希望と現実の間で揺れ動く清水ユースのナンバー10。高3の夏にチームはクラブユース選手権で破竹の快進撃を遂げ、大宮アルディージャユースとの決勝で齊藤は前半アディショナルタイムに貴重な追加点を叩き込み、16年ぶり2度目の優勝に大きく貢献した。

 キャプテンとしてもチームを力強く牽引する姿をクラブ首脳陣も高く評価していたが、現実はトップ昇格を見送る決定を下した。
 
 苦しさと悔しさを味わう形で流通経済大に進学するが、清水愛は消えるどころか、ますます増大するものであったという。

 なぜ、そこまでの清水愛を抱いているのか。今回はインタビューコラムとして、その経緯と理由、そして齊藤が見据える未来について聞いてみた。

――◆――◆――

「ずっとエスパルスというクラブが僕の頭の中にあったので、そこに加入が決まって素直に嬉しいです。高校時代、トップに上がるためにユースに来たので、上がれない時は悔しかった。上がるか上がれないかわからないとギリギリまで言われて、それで『上がれない』と言われた時は、さすがに『もうこんなクラブ、2度と知るか』と一瞬思いましたが、それも一瞬だけでした。やっぱり清水という街をすごく気に入っているし、クラブも大好きという気持ちが上回ったので、『戻るために何をすべきか』とずっと思ってサッカーをやってきました」

 ユース時代の3年間で、なぜここまでの想いを抱くようになったのか。それは齊藤のサッカー人生に隠されていた。

「僕はもともとエリートどころか、かなりの雑草だったんです」
 

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