“大阪ダービー”で3発快勝、C大阪はなぜ一方的な展開に持ち込めたのか? ガンバに脅威を与えた奧埜&タガートを指揮官も高評価

2022年05月22日 種村亮

奧埜が両チーム最長の走行距離を記録

大阪ダービーでともに得点をマークし、C大阪の勝利に貢献した奧埜(左)とタガート。写真:滝川敏之

[J1第14節]C大阪3-1G大阪/5月21日/ヨドコウ桜スタジアム

 近年あまり見られない、C大阪の一方的な展開となった通算57度目の「大阪ダービー」。相手の主力の多くが出場できなかったことも要因ではあるが、これまで課題としていた攻撃面でG大阪を崩す形が構築されていた点も大きい。

 相手に先制されて迎えた58分。松田陸からパスを受けた清武弘嗣が、奧埜博亮へ絶妙なスルーパス。奧埜はシュートを打てなかったが、こぼれ球を拾ったオーストラリア代表のアダム・タガートの今季初ゴールで同点に追いついた。

 勢いづいたチームは66分、山中亮輔のクロスに奧埜が頭で合わせて逆転。終了間際の90+4分には、カウンターから奧埜が右足を振り抜き、ダメ押し弾を決めた。
 
 試合後、小菊昭雄監督は2ゴールを含む全得点に絡んだ奧埜に関して、「少し前から彼のタスクを変えています。今まではボランチとしてゲームを組み立てながら、攻守に関わっていく役割を担ってくれていたのですが、もう少し前に、ゴールのところをより強く求める役割を与えています。運動量、ゲームを読む力、そういった彼の持つ力が今日の試合に凝縮されていました。素晴らしいパフォーマンスだった」と絶賛した。

 奧埜は基本的に、原川力とのダブルボランチだが、攻撃時は原川を中央に残し、トップ下に入った清武と同じ位置にまでポジションを上げるケースが多かった。

 2019年、2020年に連続で7得点をマークするなど、得点感覚も兼ね備えている奧埜。豊富な運動量を生かして空いたスペースにどんどん顔を出す動きは、G大阪にとって厄介だったに違いない。

「スペースを見つけて飛び出すのは僕の持ち味。そういうプレーをどんどん出して、最終的に目に見えるアシストや得点を残したかった。今日は得点で貢献できて良かったです」

 この日の奧埜の総走行距離は、両チーム最長の12.313キロだった。
 

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