【バイタルエリアの仕事人】vol.16 塩谷司|前に出ていくタイミングを意識。一番重要なのは囲まれても焦らないこと

2022年05月18日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「1対1で負けているとサッカーは成り立たない」

広島の塩谷は今季、主にボランチとしてプレー。攻守で献身的に走り回る姿はまさに仕事人だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーにおける攻守の重要局面となる「バイタルエリア」。ゴールや失点に直結する"勝負の肝"となるスペースをいかに攻略するか、死守するかは、多くのチームにとって不偏のテーマだろう。そんな「バイタルエリア」で輝きを放つ選手たちのサッカー観に迫る新連載のインタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第16回は、サンフレッチェ広島の塩谷司だ。

 プロ入り後は主にCBを主戦場としてきたが、近年はボランチでもハイレベルなプレーを披露。積極的な攻撃参加と献身的な守備でチームを支える姿はまさに"仕事人"。そんな塩谷にとっての「バイタルエリア」とは――。

――◆――◆――

 自分のポジション的に守備の場面が多いので、バイタルエリアでは相手に決定的な仕事をさせないことを意識しています。シュートを打たせない、ラストパスを出させないためには、ポジショニングが大切です。

 現代のサッカーは、素早いカウンターをしてくるチームが多い。守備の人数が揃っていない数的不利な状況で、相手のカウンターに対して上手く守れるかどうかが、チームの能力が試される部分なのかなと思います。個人としては対人で負けないことも大事。1対1で負けているとサッカーは成り立たないので、そこは絶対負けられないという気持ちでやっていますね。

 攻撃でバイタルエリアを上手く使うためには、自分のポジションで言うと、CBやボランチから前に上がっていくタイミングが大事だと思っています。

 早く上がりすぎると味方を待ってからスペースのないところで止まってボールを蹴ることが増えてしまう。なので、味方の状況を見つつ、タイミング良く上がることで、前向きに推進力を持ってプレーできます。

 チームによっては人数を揃えてブロックを敷いてくるので、一番重要なのは敵に囲まれても焦らないことですね。周りを使ってボールを動かしながら、ちょっとした相手の守備の乱れを見逃さないことを常に考えてプレーしています。
 

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