開幕直前の暗雲…守備の崩壊が不安を煽る 【バルサ番記者】のシーズン展望

2015年08月20日 ルイス・フェルナンド・ロホ

公式戦3試合で9失点…破綻の理由は?

セビージャ、A・ビルバオとの3試合で9失点と守備が崩壊。開幕直前のバルサに、にわかに暗雲が。 (C) Getty Images

 私は夏の間、バルサを楽観的な目で見ていた。
 
 昨シーズンはすべてを勝ち取った。その原動力だったリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールのトリデンテが健在だ。移籍禁止処分で1月まで補強ができないとはいえ、それでも陣容には十分な厚みがある。連覇の可能性は高いだろう――。
 
 そう楽観できたのも、しかし8月中旬までだった。
 
 現在、私の胸は不安でいっぱいなのである。
 
 最大の理由は守備だ。
 
 プレシーズンのアメリカ遠征で不安は見え始めていた。減らない失点は悩みの種で、とくに簡単にゴールを許すセットプレーの守備は気掛かりだった。
 
 トリデンテが揃ったローマとのガンペール杯は3-0で快勝したものの、その後のUEFAスーパーカップとスペイン・スーパーカップで守備が崩壊してしまった。
 
 セビージャとのUEFAスーパーカップは、終盤の連続失点で3点差を追いつかれた。90分間で4失点。延長後半の115分にペドロ・ロドリゲスが決めて5-4で勝ったとはいえ、ミスを重ねた守備陣は目を覆うばかりだった。
 
 アスレティック・ビルバオとのスペイン・スーパーカップでも守備が破綻。再びの4失点で第1レグは完敗した(0-4)。第2レグはメッシが先制点を奪うも、ジェラール・ピケの退場後に同点に追いつかれ、結局1-1の引き分け。6冠の夢は早くも潰えてしまった。
 
 昨シーズンは公式戦60試合で38失点と安定していただけに、3試合で9失点という体たらくがにわかに信じられない。
 
 守備崩壊の理由は何か。
 
 個人を糾弾するとすれば、ダニエウ・アウベスとジェレミー・マテューの2人だろう。
 
 二転三転の末、契約を延長して残留したアウベスだが、プレシーズンで繰り返したのは惨憺たるプレーだった。
 
 映像を確認して驚いた。前述の9失点のうち、実に5失点に絡んでいるのだ。ポジショニングの悪さに単純なミス。絡んでいたというより、その5失点はアウベスに責任があったと言って差し支えない。これでは契約延長に全く値しない。
 
 マテューが関与したのは3失点。看過できないのは判断の悪さと集中力の欠如で、それだけに不安が募る。フィジカルコンディションが原因なら、まだ復調の希望があるからだ。

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