日本代表から漏れても…鎌田大地が作り出す元浦和のレジェンドのような「決定的な違い」。“懲罰交代”をした指揮官も「勝利に導く資質があるからこそ」【現地発】

2022年04月02日 中野吉之伴

鎌田がボールを持つと味方選手が飛び出して行くのが印象的

攻撃のコンダクターとして不可欠な存在になっている鎌田。(C)Getty Images

 日本代表からは惜しくも外れているが、鎌田大地の現地評価はとても高い。フランクフルトで中心選手となって3シーズン目となる今季もここまでブンデスリーガ27試合中25試合に出場し、3得点2アシスト。ヨーロッパリーグ(EL)では8試合すべてでスタメン起用され、4得点をマークしている。

 昨シーズンまで得点源だったポルトガル代表FWアンドレ・シルバがライプツィヒへ移籍したことで、今シーズンのフランクフルトは得点力に問題を抱えてきた。オリバー・グラスナー監督は様々な試行錯誤を繰り返しながら、ここにきてようやく最適な組み合わせを見つけたようだ。

 セルビア代表フィリップ・コスティッチの突破力とクロスという武器があるのは、だれもが認めるところ。左サイドをスピードに乗って駆け上がり、切れ味鋭いクロスをゴール前へ供給するそのコスティッチへ、好タイミングでパスを供給するのが鎌田。そんな役割分担だったが、攻撃における依存度が高すぎる点は以前より指摘されており、それが今シーズンは如実になっていた。

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 そんなフランクフルトにとって当たりとなったのは、冬の移籍でドルトムントからドイツU-21代表アンスガー・クナウフを獲得できたことだろう。スピードがあり、裏へタイミングよく飛び出してパスを引き出し、それにゴール前にも上手く顔を出すことができる。左サイドへ偏りがちだった攻撃が、右サイドでもクナウフとデンマーク代表イェスパー・リンストロームがうまく起点を作れるようになったことで、全体的なバランスが改善されたのは大きい。

 攻撃陣の連係がスムーズになってきたことで、鎌田は自分のタイミングで動き出してパスを引き出し、周囲の選手をうまく使い、ゴール前で決定機に関われる頻度も増えてきている。ベティスとのEL決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、そしてリーグのボーフム戦と鎌田が2試合連続でゴールを決めたのもそうした流れと無関係ではない。

 ボーフム戦では、中盤で浮き球ボールをスッとコントロールし、パスを出す素振りをフェイントにスムーズに前へと向き直すと、動き出していたCBの逆を突くクレバーなスルーパスを披露するなど、鎌田がボールを持つと味方選手がギアを入れて、スペースへどんどん飛び出して行くのがとても印象的だった。

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