「死ぬまで忘れない」ポルトガルとの大一番でPKを外したトルコのエースが代表引退を表明

2022年03月26日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

反撃の狼煙を上げるゴールを決めたものの…

W杯出場を逃し、試合終了後に涙を流すトルコ代表のブラク。(C)Getty Images

 トルコのエースが悲痛な思いで代表を去ることとなった。

 

 現地時間3月24日、トルコ代表はワールドカップ欧州予選のプレーオフ準決勝でポルトガル代表と対戦。1-3で敗れ、3位に入った2002年の日韓大会以来の本大会出場を逃した。

 

 試合はホームのポルトガルに前半で2点のリードを許す苦しい展開となったが、後半にトルコが反撃を開始。65分にエースのブラク・ユルマズが巧みな連携から1点を返すと、85分にはエネス・ウネルが相手ペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得した。

 

 しかし、キッカーを務めたブラクのシュートは無情にもクロスバーをかすめ、同点に追いつく絶好の機会を逃してしまう。その後、試合終了間際にポルトガルにダメ押し点を許し、トルコは北マケドニアとの決勝に駒を進めることができなかった。
 

 自身のPK失敗が予選敗退の大きな要因となってしまった36歳のストライカーは、チームメイトと抱き合いながら涙を流し、ピッチを後にした。

 

 その試合後だった。インタビューに応じたブラクは「今日が最後の試合となった」と、トルコ代表から退くことを表明すると、続けて「ただ、私は死ぬまでこの日の失敗を忘れることはないだろう」と苦しい胸の内を明かしたのだ。


 ブラク自身は元々、PK失敗がなかったとしてもW杯行きを逃した際には、後進に道を譲る考えを持っていたようだが、なんとも悲劇的な終焉となってしまった。

 

 代表は引退するものの現役生活は続行するようで、ひとまず22年6月まで契約を残しているリールでのプレーを続けるという。

 

 ブラクは2006年4月のアゼルバイジャン戦で代表デビューを飾り、これまで代表通算77試合で同国歴代2位の31ゴールをマーク。残念ながら世界最高峰の舞台にも立つことはできなかったが、「トルコの王様」の勇姿は多くのサッカー・ファンの記憶に残ることだろう。
 

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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