【女子東アジアカップ】理想像は宮間あや――2ゴールと結果を残した杉田が追い求めるもの

2015年08月09日 清水英斗

北朝鮮戦に続くゴールでアピールには成功。

菅澤の落としを上手くゴールに流し込んだ杉田。第1戦の北朝鮮戦に続き、結果を残した。小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 第1戦の北朝鮮戦で見せたスーパーミドルシュートは、決して"まぐれ"ではなかった。
 
「GKが来たので、その逆をねらって打ちました。入って良かったです」(杉田亜未)
 
 2-0で勝利した中国戦の後半アディショナルタイム、スルーパスに走り込んだFW菅澤優衣香が、相手に前進を阻まれてバックパス。そこに走り込んだのが、MF杉田だった。
 
「横山(久美)選手が決めて、勢いも出たと思うので、相手も疲れていましたし、走ったら絶対になにかが起こると思いました。最後、菅澤選手が粘ってくれて、あそこを決めれたので、ゴールは菅澤選手のおかげでもありますし、そこで決めたことを、自分のなかでも自信にしていきたいなと思います」(杉田)
 
 GKの位置を見て、冷静な駆け引きから、ファーサイドを狙った。第1戦の北朝鮮戦に続いてミドルシュートを叩き込み、杉田は自分がなでしこに必要な戦力であることを印象付けた。
 
 26分には、FKでも惜しいチャンスがあった。ペナルティエリア手前、やや左寄りで獲得した場面で、杉田は鋭いシュートをファーサイドへ放ち、ボールは相手GKの手をかすめて、ポストを叩いた。素晴らしい技術を備えた一発だった。
 
 ただし、得点、FKでのチャンスはすべて"フリー"で打てる、お膳立てされた場面だったことも指摘しておきたい。中国戦ではほかにもドリブルから何本かシュートを打ったが、相手DFのプレスを外したあとに、弾道を抑えることができず、ボールはことごとく浮いてしまった。
 
 相手のプレッシャーと、どう対峙していくのか。それはシュート場面だけの話ではない。
 
 前半は、MF川村優里と2ボランチを組んだが、中国の2ボランチが高い位置からふたりへプレッシャーをかけてきたため、あまりビルドアップの起点になれなかった。ボールポゼッションは、今大会の3試合で最も安定していたが、中国に与えた脅威が大きかったわけではない。両サイドをシンプルに突破したいくつかのシーンを除けば、前半に有効な攻撃は少なかった。

次ページ『ボールのもらい方』が今後のキーポイントに。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事