矢板中央からスペイン行きを選んだ18歳のストライカーを直撃! J下部組織から強豪校を経て、海外挑戦に至るまでの紆余曲折とは?

2022年03月18日 松尾祐希

矢板中央からスペイン行きを選んだ18歳のストライカーを直撃! J下部組織から強豪校を経て、海外挑戦に至るまでの紆余曲折とは?

矢板中央高を今春卒業し、スペインに渡った藤野和哉。ユース年代のトップリーグに所属するチームで奮闘を続ける。写真:(左) db-sports.com/(右)田中研治

 日本に別れを告げて早1か月半。昨冬の高校サッカー選手権で矢板中央の得点源として活躍した背番号9が異国の地で新たな挑戦をスタートさせた。

 藤野和哉、18歳。中学校時代から憧れていたスペインでのプレーを選択し、ユース年代のトップリーグにあたる"ディビシオン・デ・オノール・フベニル"に籍を置くCDバスケス・クルトゥラルで2月からプレーしている。中井卓大が所属するレアル・マドリーのフベニールA(U-19チーム)も同じリーグのライバルだ。

 スペインのトップチームを持たないクラブとの契約は半年間。限られた時間の中で結果を残せなければ、道を開くことは叶わない。厳しい環境に身を置いた男は、どのような想いでスペインでの挑戦を続けているのか。矢板中央で学んだことや今後のビジョンも含め、藤野に今の想いを聞いた。

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――スペインに渡って約1ヶ月が経ちました。現地での生活には慣れましたか?

 徐々に慣れてきました。ただ、最初は自分の考えを伝えられなくて、街に出てもどこにどうやって行っていいか分からないし、スペイン語を完璧に話せるわけではないのでチームメイトともコミュニケーションが取れない。かなり苦しかったですね。もちろん、渡航前に勉強はしていたのですが、現地の言葉はやっぱりなかなか聞き取れない。特に自分が住んでいるアンダルシア地方は訛りがかなりあるんです。ただ、今はシェアハウスで日本人2人と一緒に暮らしているので、すごく助けられています。

――高校卒業後に文化も違い、言葉も通じない環境にいきなり身を置きました。元々海外に挑戦したいという気持ちがあったのでしょうか?

 海外挑戦への想いは昔から持っていました。きっかけは中学2年生の時です。ジェフ千葉U-15に所属していた時にスペイン遠征を経験して、中井卓大選手がいるレアル・マドリーやパリ・サンジェルマンの下部組織と対戦しました。サッカーのスタイルが日本とまるで違い、特にレアル・マドリーの次元の違う強さは今でも覚えています。プレーが落ち着いていて、小さい選手でも身体が強い。力の差をとても感じましたね。その時からスペインでプレーする夢を持ちました。
 

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