規格外のプレーを連発!ドイツ代表の18歳・超逸材ヴィルツは何が凄いのか?レバク主将は「調子が悪くてもワールドクラス」【現地発】

2022年03月05日 中野吉之伴

レジェンドも「サッカーを愛するすべての人を幸せにしてくれる」と絶賛

ここまで7ゴール・10アシストと躍動しているヴィルツ。(C)Getty Images

 ブンデスリーガで好調を維持しているのがレバークーゼンだ。ドルトムントを5‐2で一蹴するなど、後半戦7試合で5勝1分け1敗、勝点16を挙げている。

 そんなレバークーゼンで規格外のプレーの連続でチームの中心的存在となっているのがフロリアン・ヴィルツ。彼にとっての18歳というのは、すでにただの数字でしかない。対戦相手からすると「特Aクラス」の要注意選手となっている。それでも、止められない。

 監督のジェラルド・セオアネは「試合を重ねるごとにスペシャルなマークをされている。そのためこれまでとは違ったコース取りをしたりして、道を開いている」とその動きのすばらしさに舌を巻く。ヴィルツは常に相手が守りにくいところ、対応しづらいところへポジションを移しながら、ボールを引き出すができる。

 ボールをもらうとすぐに前を向く。身のこなしが鋭く滑らかだ。ドリブルでボールを運ぶ姿勢がとても美しい。テクニシャンにありがちな当たりの弱さもない。ファウルをしてでも食い止めようと相手選手は激しくぶつかってくるが、びくともしない。

 そうした状態からでも視野は保たれ、難しい体勢からでも正確でタイミングよくパスを送ることができるのだから、相手からしたら厄介極まりない。さらにスピードもある。

【動画】これが18歳? 圧巻のプレーを連発するヴィルツ
 そして、いつ、どこで、どのようにプレーすべきかという戦術理解とゲームインテリジェンスはすでに特筆に値するレベルといえるだろう。

 1990年ワールドカップで優勝した元西ドイツ代表キャプテンのローター・マテウスも「彼の持つ能力というのは私が持っていなかったものだ。サッカーはチェスのようなスポーツ。そして彼は常に相手の次の手を読みながらプレーしている。軽やかに、時に笑顔を見せながら喜びを持ってプレーしている様子は、サッカーを愛するすべての人を幸せにしてくれる」と絶賛するほどだ。

 相手DFが後ろから奪いにきていると感じたら、スッとダイレクトパスでボールを逃がす。味方を使いながらパスを受け直す。視野が広いというのは好選手の条件とされるが、視野が広いだけではダメで、どれだけグラウンドを見渡すことができても、そこに確かな狙いとアイデアと実行力がなければ、流れ込む情報を生かしきることはできない。

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