森保ジャパンは万全の体制で勝負の3月シリーズに臨めるか? 代表戦士のコンディションチェック

2022年03月04日 河治良幸

負傷で前回不参加だった吉田が実戦復帰

2-0で勝利した前回のサウジ戦で予選5連勝を達成した日本。次節の豪州戦で勝てば7大会連続7度目のW杯出場が決まる。(C)JFA

 カタール・ワールドカップの出場権をかけたアジア最終予選も、残り2試合。3月24日にアウェーでオーストラリアと対戦し、同29日にベトナムをホームで迎え撃つ。勝負の2連戦に向け、森保ジャパンの面々は順調に準備できているのか。それぞれのコンディションをチェックした。

――◆――◆――

 2-0で勝利し、予選5連勝を飾った2月1日のサウジアラビア戦に出場した選手を中心に、日本代表メンバーの所属クラブでの現状をまとめたい。

 GKからいくと国内組の権田修一は、清水で開幕からJリーグ2試合にフル出場。2失点はしているものの、後ろから統率力を発揮して磐田との静岡ダービーの勝利にも貢献している。よほどのことがない限りは問題なく、予選突破がかかる今後の2試合でゴールマウスを守るはずだ。

 なおシュミット・ダニエルはベルギーのシント=トロイデンで、代表から帰って4試合にフル出場しており、一方の川島永嗣は合流前まで2番手としてベンチ入りを続けていたが、直近2試合はメンバー外となっている。

 最終ラインを見ると、右サイトバックは共に国内組の酒井宏樹(浦和)と山根視来(川崎)が開幕から主力として活躍している。
 
 酒井に関しては昨夏の加入後に隔離期間や東京五輪と多忙だったなかで、本人も認めるほど疲労感が見られたが、短いながらもオフを取ってリフレッシュした今シーズンは開幕戦から躍動的なプレーが目を引く。ただし、チームは複数の新型コロナウイルス感染者が出た影響もあってか、うまく結果が出ていない。右サイドからすべてに影響できる訳ではないが、頼りになる存在であることは間違いない。

 山根は開幕2試合でやや精彩を欠いたが、筆者の見解ではコンディションよりチームの機能性が影響したように思う。2節・鹿島戦は大敗した横浜戦から中2日とは思えない働きで、敵地で2-0の勝利を支えた。クレバーな選手ではあるが、周りに生かされて能力を発揮するタイプでもあり、縦ラインを形成する家長昭博が前向きに躍動できるかどうかも関わってくる。そういう意味で鹿島戦は相手の対面が攻撃的だったこともあり、コンビでの持ち味も出しやすそうだった。

 センターバックは右太腿の負傷で前回不参加だった吉田麻也(サンプドリア)が2月28日のアタランタ戦で後半から復帰した。すでに0-2とリードを許したところから2失点して0-4となったが、3バックの中央で攻撃の起点になりながら、カバーリングなどでも確かな存在感。順調なら実戦感覚を高めて代表に合流できそうだ。

 一方の冨安健洋は2月19日のブレントフォード戦でベンチに復帰したが、ふくらはぎの状態が万全とは言えず、直前のウォルバーハンプトン戦は再びベンチ外となった。森保一監督もプレーできるかできないかを見極めて招集を判断したいというが、日本代表の最終目標は予選突破ではないことを考えれば、吉田キャプテンや他のセンターバック陣に任せて、コンディションの良化に努めてほしいのが筆者の見解だ。

【PHOTO】日本代表の歴代ユニホームを厳選写真で振り返り!(1992-2022)
 

次ページ名古屋の中谷のほうが招集の優先度は高そう

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事