昇格組の磐田と京都はJ1で生き残れるか。開幕2戦で明暗分かれた両者の残留あるいは飛躍の可能性を探る

2022年03月02日 河治良幸

磐田の苦戦は想定内。際立つ京都の健闘ぶり

磐田の遠藤(左)と京都のP・ウタカ(右)。昇格組のチームを支えるキーマンはどんなプレーを見せるか。写真:塚本凛平(サッカーダイジェスト写真部)、J.LEAGUE

 今季のJ1昇格組のジュビロ磐田と京都サンガF.C.は、トップリーグでいかなる戦いを見せるか。開幕から2節を終え、磐田は1分1敗の勝点1で15位、京都は1勝1分の勝点4で4位。3月5日の第3節では、京都のホームでさっそく"直接対決"が予定されている両チームの現状と今後の可能性を探った。

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 昇格組の磐田と京都は、ここまでやや明暗が分かれている。勝点の通り京都が明、磐田が暗だ。ただし、序盤戦で磐田が苦しむことはある程度、想定できた。どちらかといえば京都の健闘が目立っている。

 磐田はここまでアビスパ福岡(1節/1-1)、宿命のライバルである清水エスパルスと(2節/1-2)対戦した。一方の京都は浦和レッズ(1節/1-0)、セレッソ大阪(2節/1-1)と対戦している。

 昨年の成績で見れば、京都のほうが厳しい相手と言えるが、開幕戦で京都と対戦した浦和は試合の数日前にコロナ感染者が出たことで、数名のメンバーを欠くだけでなく、準備にも影響してしまったのは明らかだ。

 ただ、それを差し引いても、浦和戦での京都の戦いぶりが素晴らしく、勝点3に値するパフォーマンスだったことは間違いない。やはり勇気を持って前からプレッシャーをかけて、自分たちの攻撃になれば、できるだけ手数をかけずに攻め切るという意識がチームで共有されていた。
 
 浦和も京都の持ち味であるハイプレスを見越して左ウイングの明本考浩に長いボールを当てにきたが、そこから京都は多少ピンチを迎えても、腰が引けることなく前からのプレッシャー、トランジションからの素早い攻撃を繰り出した。

 浦和がベストコンディションだった場合にどれだけ通用したかは分からないが、いかなる相手でも引かずに戦う姿勢が見られた。そしてリードして終盤になると、曺貴裁監督はディフェンスラインを5枚にして、はっきりと守り切った守備にシフトして1-0で逃げ切った。

 C大阪戦では4ー3ー3の中で麻田将吾を左サイドバック、メンデスを左センターバックで起用したが、ビルドアップがスムーズにいかなかったからか、2人のポジションを入れ替えることでリズムを改善した。

 さらに後半からは4バックから3バックにチェンジ。麻田を3バックの中央に、ピーター・ウタカと武富孝介の2トップで、C大阪のゴールを脅かす形を取った。結局、その後半立ち上がりに乾貴士のゴールで同点とされて、そのまま1ー1で引き分けたが、J2の時よりもさらに戦い方、選手起用の引き出しを増やす姿勢が見られた。
 

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