30年目のJリーグ、歴代最強のストライカー5選! 1位はゴール前を最も煌びやかに彩った世界的スター! 唯一ランクインした日本人は?

2022年03月02日 加部 究

ピクシーをJリーグで堪能できたことは幸運

“J歴代最強ストライカー”トップ5を選出。左から三浦知良、ストイコビッチ、マルキーニョス。(C)SOCCER DIGEST

 2022シーズンで節目の30年目を迎えたJリーグ。その長い歴史のなかで、数々の偉大なプレーヤーが日本サッカー界を盛り上げてきた。本稿では、日本リーグ時代からの長きにわたり、日本サッカーを追い続けてきたスポーツライターの加部究氏がファンの記憶にも残る強烈なインパクトを残した"J歴代最強ストライカー"を選出。そのベスト5をお届けする。

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【J歴代最強ストライカー ベスト5】
1位:ストイコビッチ(元名古屋)
2位:三浦知良(元V川崎ほか)
3位:マルキーニョス(元鹿島ほか)
4位:オルンガ(元柏)
5位:ジュニーニョ(元川崎ほか)
 
 本来、ストライカーという括りに留める選手ではないが、ドラガン・ストイコビッチ(ピクシー)はゴールを創作するアイデアと仕上げぶりが出色だった。ゴールを決めることも、決めさせることにも突出しており、歴史的にもゴール前を最も煌びやかに彩った天才として1位にした。

 もちろん歴史を振り返れば、ピクシーに匹敵するようなスターも何人かはJクラブに在籍し、期待に違わぬ活躍を見せた。

 世界的にも時代を象徴するスターだったジーコは、40歳を過ぎても鹿島アントラーズにサッカー文化をもたらし、紛れもなくひとりの選手としては最大の影響力を及ぼした。ワールドカップでは3大会連続で決勝に進み、1990年大会を優勝で締めたピエール・リトバルスキーの並外れたテクニックも際立ったし、レオナルドやサンパイオは現役ブラジル代表時代にJリーガーになった。

 だがピクシーは、1990年イタリア・ワールドカップの頃、次の時代を代表するスターの座を約束された選手だったが、度重なる故障で欧州戦線から離れ、ゴードン・ミルン指揮下の名古屋グランパスでもベンチを温め、腐りかけていた。それがアーセン・ヴェンゲルの監督就任とともに復活を遂げ、日本で最盛期を迎えていく。

 少し時代が進めば、日本人選手たちでも最盛期をJリーグで過ごすスター選手は珍しくなっていく。小野伸二はフェイエノールト(オランダ)の人気者だし、中村俊輔はセルティック(スコットランド)の象徴で、中田英寿も国内でプレーしたのはプロ駆け出しの4年間のみで、そのまま欧州でユニホームを脱いだ。

 そう考えれば、ピクシーのプレーをJリーグで堪能できたことは、日本サッカー界にとってもかけがえのない幸運だった。

 2位の三浦知良は今更言挙げするまでもなく、Jリーグ人気に点火した立役者だ。アマチュアからプロへの転換期は、代表でもヴェルディでもカズは必要な時に必要なゴールを決めてくるストライカーだった。自身ではゴールを奪うことより、ドリブルを中心に連係を活かしながら、相手ディフェンスを切り崩すことにプライドを持っていたようだが、Jリーグ創設以降これほど勝負強く確実に期待に応えてきた選手は見当たらない。
 

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