リーガ制覇の立役者がまさかの評価急落…スアレスの生き残りを賭けた戦い【現地発】

2022年02月05日 エル・パイス紙

スアレスの希望はアトレティコとの契約延長

調子が上がらず、先発を外れることも珍しくなくなったスアレス。(C)Getty Images

 しばしば言われるように、サッカーにおいて記憶という概念が存在しないのであれば、ゴールを決め続けることでしか価値を示すことができないストライカーはなおさらである。

 目下ラ・リーガで9試合ゴールから遠ざかっているルイス・スアレスもまたその1人だ。彼は34歳という年齢と酷使し続けてきた膝という二重のハンデを背負いながら、生き残りを賭けた戦いの真っ只中にいる。

 スアレスの希望は、6月30日で切れるアトレティコ・マドリーとの契約を延長することだ。そんな中、最大の理解者の1人であるディエゴ・シメオネ監督がラ・リーガ第22節バレンシア戦の前日記者会見で契約延長に賛成かどうか尋ねられると、「ひっかけ問題のような質問だ。何年か前にフェルナンド(トーレス)の去就問題が持ち上がった時も我々は同じような経験をした。私はその話題に踏み込むつもりはない。2か月前にルイスとクラブと話をした。彼らは私の考えを知っている」とは答えるにとどめた。

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 当時のクラブ側の見解は、今シーズン残りのパフォーマンスと特別なケアが必要なコンディションを踏まえて最終的に決断するというものだった。しかしその後、スアレスの得点力は著しく低下。シメオネ監督の戦術面における軌道修正によってゴールから離れた場所でのプレーを余儀なくされる機会が増えているのもその一因だが、それに比例してスタメン起用を疑問視する声が出始めた。

 ましてやスアレスはチーム有数の高給取りだ。それでいてスタメン落ちや交代を告げられた時に、態度に出してしまう気難しさも持ち合わせており、手綱さばきを一歩誤れば、不満分子と化す恐れがある。

 アトレティコは、数年前にキャラクターが被るところがあるジエゴ・コスタの扱いに手を焼いた苦い経験があり、当然同じ轍を踏むことを望んでいない。現時点で、スアレスの頭の中でただ一つはっきりしていることは、もう1年ヨーロッパでプレーすること。現在、カタールW杯南米予選が佳境を迎えているが、ウルグアイ代表が本大会出場を果たした場合に備えて、競争力の高いリーグで準備を整えたいという考えを持っている。

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