4戦連発の伊東純也、大学時代の恩師が回顧する“入らなかった”シュート… 驚愕のスピードには「見たこともない才能だった」

2022年02月02日 安藤隆人

山梨学院高を全国制覇に導いた長谷川監督が指導した神奈川大での1年間

中国戦、サウジ戦と躍動した伊東。大学時代の恩師もその成長に目を細める。写真:JMPA代表撮影

 伊東純也、圧巻の1ゴール・1アシスト。負ければライバルに目の前でカタール・ワールドカップ出場を決められ、かつ3位に転落してしまうという状況で、右サイドのキーマンは大車輪の活躍で日本に大きな勝点3をもたらした。

「伊東が右サイドにいるだけで相手にとって脅威になるんです」
【W杯アジア最終予選PHOTO】日本2-0サウジアラビア|伊東が1G1Aの大活躍!7大会連続W杯出場に王手
 こう語るのは伊東の神奈川大時代に、1年間指導に携わっていた長谷川大監督だ。現在、山梨学院高で指揮を執り、1年前の選手権では全国制覇に導いた名将は、彼の大きな成長に目を細めた。

「当時から1試合のシュート数は本当に多かった。でも、シュートがなかなか入らなかった。それで少し悩んでいたこともあったのですが、シュートを積極的に打つという姿勢は失わせたくなかったので、1本のシュートを丁寧に打つことと、『もっと打てばいい』というアプローチを彼にしました。相手の視点に立った時に、ゴールを決められていないけど、スピードで何度も突破をされてシュートを打たれている時点で、精神的には決められているんです。それくらいの威力を持っている選手はなかなかいなんだよと彼には話しました」

 スピードは当時からずば抜けていた。だからこそ、長谷川監督がその長所を消さないように、かつゴールの確率を上げるためのアプローチをしたという。

「彼は本当に見たことものないような才能を持っている稀有な選手。スピードが武器と言われていますが、素走りをすると純也より速い選手はいたのですが、ボールを持った時のスピードは誰も敵わなかった。それに加えて、トップスピードに乗った状態でシザースできるのに驚きました。だからこそ、別にドリブルコースを変えていないのに、トップスピードのシザースでまるで相手が避けて道を開けてくれているような状況になるんです。そんな選手は見たことがなかったので本当に驚きました」

 プロに進んでからも彼は自分の長所を伸ばし続けた。その結果、プロの世界でステップアップし、ベルギー1部の強豪ヘンクで躍動すると、日本代表の主軸を張るまでに成長した。

【動画】伊東純也がスピーディな裏への抜け出しから強烈なシュート!

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