【神戸】ホームでまたも勝てず…、関西のライバルに敗れる屈辱も大ブーイングがなかったワケ

2015年07月26日 本田健介(サッカーダイジェスト)

すべてを出し切った選手たちの姿に感じるものがあったはず。

試合後の挨拶の際には大ブーイングは起こらず。選手たちの“戦う姿勢”が評価されたからだろう。写真:早草紀子

 またか……。
 
 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、多くのサポーターの溜め息が聞こえたような気がした。G大阪との関西ダービーに1-2で敗れ、これで3か月以上ホームでの勝利はなし。結果だけを見れば、サポーターから大きな罵声を浴びせられてもおかしくない状況だった。

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 それでもある程度の野次はあったかもしれないが、想像以上に温かく試合後の挨拶を受け入れられたのは、選手たちが見せた"戦う姿勢"があったからだろう。
 
 第2ステージに入り、2勝1分と好調を維持して迎えたG大阪戦は、中2日でゲームに臨んだ相手に対し、「良いスタートが切れた」(ネルシーニョ監督)と、理想的な立ち上がりを見せた。
 
 しかし、12分に一瞬の隙を突かれ、遠藤に先制点を奪われると、24分にはルーズボールを競り合った相馬が一発退場となり、数的不利に陥る。これまで逆転勝ちは前節の仙台戦のみと、劣勢を覆す力が不足しているチームにとって、この時点で完敗ゲームになりかねない展開と言えた。
 
 ただ、この日の神戸は10人になった後もしぶとく戦い続けた。そして前半終了間際にはCKから増川が決めて同点に追い付く。後半も増川、岩波の両CBは宇佐美のテクニックに翻弄されながらも最後の局面では身体を張り、ボランチのチョン・ウヨンら中盤の選手たちはファウルすれすれの激しい守備でボールを奪おうと試みる。
 
 結局は77分に宇佐美に決勝点を奪われたが、最後まで走り切り、試合終了と同時に多くの選手がその場に座り込んだ姿を目にし、スタンドで心を動かされた者は少なくなかったはずだ。

次ページ次節の広島戦は大きな分岐点になる。

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