青森山田の圧巻V、グルグル円陣、衝撃の古川、まさかの初戦敗退…100回大会の10大ニュースを総まとめ【選手権】

2022年01月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

驚愕の21得点・2失点。3冠達成の黒田監督は「夢のようです」

個の能力、組織力、闘争心とどれを取っても図抜けていた青森山田。3年ぶりの日本一に輝いた。写真:徳原隆元

 1月10日、青森山田の3年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた全国高校サッカー選手権。大きな節目の100回大会でも、数多のドラマやニューヒーローが生まれ、サッカーファンを大いに楽しませてくれた。ここでは大会を彩った「10大ニュース」を編集部がピックアップ。いま一度、メモルアルな「7日間」をプレイバックする。

【21得点・2失点! 青森山田が圧倒的な力を示して3冠達成】
 グウの音も出ない強さだった。過去2大会、決勝で涙を呑んだ青森山田(青森)が攻守両面で並み居る強豪たちを凌駕した。初戦(2回戦)の大社(島根)戦で後半にラッシュを掛けて6-0の快勝スタートを切ると、続く3回戦の阪南大高(大阪)戦も危なげなく3-1でモノにする。準々決勝では東山(京都)に先制されてヒヤリとさせられたが、慌てず騒がずの横綱相撲できっちり2-1の逆転勝ち。準決勝の高川学園(山口)戦が6-0、そして決勝の大津(熊本)戦も4-0の大勝を収めて、3年ぶりに覇権を奪還した。

 5試合で21得点・2失点は驚嘆の一語に尽きる。インターハイ、プレミアリーグEASTに続く選手権制覇で、チーム史上初の高校サッカー3冠を達成。黒田剛監督は「まさかこの100回の記念すべき年に、すべてのタイトルを獲れるなんて夢のようです」と語り、「本当に素晴らしい選手たちに恵まれて幸せな気分です」と、鍛え上げた精鋭軍団を称えた。
 

【"グルグル円陣FK"が世界を席巻! 高川学園が快進撃!】
 12月28日の1回戦で特大の話題を提供したのが、山口県代表の高川学園だ。1回戦・星稜(石川)戦の前半8分、FKのチャンスだった。高川学園は敵エリア内で5人の選手が手を繋いで円陣を組むと、楽しげに笑顔でグルグルと回転。やがてボールが蹴り出される瞬間に5人は一斉に散らばって敵マーカーをかく乱し、それぞれがゴール前に猛進する。そのうちのひとり、MF林晴己(3年)がドフリーヘッドを決め、先制に成功した。

 鮮やかなトリックプレーの動画がSNS上で拡散すると、世界中のスポーツメディアも取り上げる事態に発展。英紙『The Sun』は「見よ! 信じられるか!高川学園の選手たちが閃きに優れたフリーキックで観衆を楽しませた」と伝え、スペイン全国紙『Marca』は「日本のティーネイジャーたちの斬新なアイデアが美しいゴールを生んだ」と評し、米ネットワーク『ESPN』も「華麗なるセットピース」と絶賛。そして欧州衛星局『EURO SPORTS』は「ポテト・サークルだ!」と独特の表現を用い、「今年一番の戦術。高川学園が見せた、まさに夢のような作戦である」と褒め称えた。

 チーム発表の公式名称は「トルメンタ」。スペイン語で「嵐」を意味する言葉で、高川学園はその後もこの「トルメンタ」をはじめとする、さまざまなリスタートのアイデアを駆使して、観る者に娯楽を提供し続けてくれた。

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