プロ注目の高校ナンバー1DFが涙… 尚志チェイス・アンリがプレミア昇格逃した悔しさを吐露「選手権は絶対に優勝して――」

2021年12月13日 松尾祐希

「なんで勝てなかったんだろう……。本当に悔しい。もっとやれたはず」

プロ注目の高校ナンバーワンDFチェイス・アンリ。尚志は惜しくもプレミア昇格ならず…。写真:松尾祐希(フリーライター)

 0-0のPK負け。尚志高は2019年度以来となるU-18高円宮杯プレミアリーグ復帰は果たせず、選手たちは天を仰いだ。

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 その輪の中にいたU-22日本代表にも選ばれるDFチェイス・アンリも例に漏れず、顔を真っ赤にして涙を見せていたひとり。12月12日に行なわれたプレミアリーグ参入プレーオフの決勝。勝利を手にしたJFAアカデミー福島U-18の選手たちが狂喜乱舞する姿を見せつけられ、誰よりも悔しさを滲ませていた。

「なんで勝てなかったんだろう……。本当に悔しい。もっとやれたはず」

「後輩たちにプレミアリーグの舞台を残したかったし、監督に恩返しをしたかった。勝っていればBチームがプリンスリーグ東北の参入戦に出場できていたのに……」

 思い返せば、夏のインターハイもそうだった。日章学園との初戦。粘り強い守備で無失点に抑えたが、PK戦で敗れた。思い出される夏の敗戦――。既視感のある敗戦だったからこそ、試合後に出てきた言葉は圧巻のパフォーマンスを見せた守備の話よりも、攻撃面で貢献できなかった点を誰よりも悔やんだ。

「守備だけではなくて、もっと攻撃で貢献したい。自分がゴールを取らないといけない。セットプレーでは決めないと……」

 ただ、全国レベルの相手と公式戦で緊張感のあるゲームができたのは、選手権に向けて意味がある。「今日は楽しかったし、本当に良い試合。相手も強かった」。悔いは残るが、久々に全国レベルの相手と対戦できたことに胸は躍った。自身のパフォーマンスが引き出され、チームとして劣勢だったなかで空中戦は負け知らず。FKの壁に入ればここ一番のジャンプでブロックし、地上戦でも球際の強さで相手を封じて何もさせなかった。相手に放たれたシュートは13本。攻め込まれる展開が続いたが、チェイスがいなければ無失点では終えられなかったはずだ。

 とはいえ、負けは負け。高校生活で残された大会は選手権しかない。

「インターハイもプレミア昇格も勝ち取れなかった。最後は絶対に選手権で優勝して、恩返しをしたい」
 

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