偉大な父を持つバルサの天才MFニコ・ゴンサレス。“ブスケッツの正統後継者”の知られざるキャリア【現地発】

2021年11月28日 エル・パイス紙

サッカーだけではなく学業も優秀

元スペイン代表MFのフランを父に持つニコ。(C)Getty Images

「負けず嫌いの塊だ。トランプゲームですら負けることに耐えられない。プレッシャーにも強くてね。これまで様々な困難に直面したけど、そのたびに乗り越えてきた」

「恐ろしいほどに冷血だ。ボールから決して逃げない。全身から気持ちがほとばしっている。そのギャップの激しさに驚かされることもある。ピッチ外では全く目立たないからね」

 カンテラの関係者が口を揃えて強靭なパーソナリティを称賛するのがバルセロナで売り出し中のニコ・ゴンサレスだ。プレシーズンでロナルド・クーマン前監督に見初められると、「守備網を攻略し、ポジショニングが的確だ。サッカーIQが高く、常に一歩先を読み、狭いスペースでも難なくワンタッチでパスを回す。全てを兼ね備えているよ」とクラブ内で評価されるクオリティを存分に発揮し、チームに欠かせない戦力になっている。

 父親はスーペル・デポルのキャプテンだったフラン・ゴンサレス。ベンハミン(U-9~10)時代にバルサに1週間体験入団すると、その2日後には練習の意図をすべて理解できていたという。
 

 もっともフランは、かねてからバルサよりもレアル・マドリーのサッカーにシンパシーを抱いていた。したがって息子にもマドリーへの入団を勧めたが、本人の強い希望と母親の後押しが決め手となり、アレビン(U-11~12)に昇格すると同時にバルサに加入。一家そろってバルセロナに移住した。

 サッカーだけではなく学業も優秀で、通っていたバイリンガルスクールでも練習や試合で忙しく大して勉強していなかったにもかかわらず、好成績を連発し、コースを飛び級したこともある。

 カンテラで指導に当たった関係者も振り返る。「とてもクレバーだ。こちらが迷う素振りを見せていると、納得するまで聞いてきてね。ニコとエリク・ガルシアがそうした点では際立っていた。おかげで指導者として成長させてもらったよ」

 戦術眼も高く、子供の頃からCB、センターMF、トップ下と様々なポジションをこなした。バルサに入団してから急激に身長が伸び、センターMFとして育成する構想が固まったが、その後もあえて相手のプレッシャーに晒されやすい環境でプレーさせようという考えのもと、1列前に配置され、判断力を磨いていった。

 前出の関係者が証言する。「今や誰もが認めるブッシ(ブスケッツ)の後継者だ。もちろん1列前でも十分にプレーできる。ゲームビジョンに加え、ドリブルも素晴らしいものを持っている」

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